2018年1月17日 (水)

日本インターネット映画大賞2017投票

今年も「日本インターネット映画大賞」への投票のため、そのレギュレーションに沿ったブログを以下に記します。おととい(+きのう)のエントリーとダブる部分も多いのですが、ご容赦ください。昨年までとはだいぶ変わって、日本映画中心の賞になったようでもあります。

日本映画

【作品賞】順位(点数記入なし)
1位  「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY  リミット・オブ・スリーピング ビューティー」    
2位  「アンチポルノ」 
3位  「DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団」  
4位  「MR. LONG ミスター・ロン」    
5位  「彼らが本気で編むときは、」 
6位  「牝猫たち」    
7位  「幼な子われらに生まれ」 
8位  「光」 (河瀬直美版)   
9位  「サバイバル・ファミリー」   
10位  「ナラタージュ」     
【コメント】

2016年は邦画が大豊作だったのですが、17年はその反動で物足りない1年でした。1位の作品が無い!と焦っていたら、11月になって『リミスリ』が登場して助かりました。映像を観ることの悦楽とドキドキ感が、そこにはありました。 2位の『アンチポルノ』ともどもカラフルで奔放な映像美学が、昨年他界した鈴木清順さんの生まれ変わりのようで・・・。 3位『DCvs鷹の爪』は、『ジャスティス・リーグ』の百倍面白いです! 『あゝ、荒野』は前篇は素晴らしかったのに、後篇でめちゃめちゃ失速してしまい、残念。 5、7、8位と女性監督が健闘しました。

【監督賞】          
   [二宮健]
【コメント】

『リミット・オブ・スリーピング ビューティー』の徹底的な映像快楽主義には鈴木清順や実相寺昭雄やキューブリックやケン・ラッセルを連想しました(寺山やマシュー・ヴォーンも入ってたし)。

【主演男優賞】
   [浅野忠信]
【コメント】
『幼な子われらに生まれ』の浅野は「クレイジー浅野」を捨てて、抑制の効いたリアリティが素晴らしかったです。
【主演女優賞】
   [有村架純]
【コメント】

『ナラタージュ』の有村さんは、作品全体の中でのバランス計算ができている繊細な好演でした。お見事。

【助演男優賞】
   [松坂桃李]
【コメント】

『キセキ あの日のソビト』の松坂は、彼のキャリアハイと言える好演。複雑な心理とその変化を細やかに表現していました。 『あゝ、荒野』のユースケ・サンタマリアにもあげたかったけど・・・。

【助演女優賞】
   [宮﨑あおい]
【コメント】

『ラスト・レシピ 麒麟の舌の記憶』のあおいちゃんは、やっぱり素晴らしい! こういうまじめで慈愛深い役に説得力を与えられるのって、彼女のほかに何人いるでしょうか。

【ニューフェイスブレイク賞】
   [桜井ユキ]
【コメント】

『リミット・オブ・スリーピング ビューティー』の桜井ユキは、輝いていました。結構そこらにいそうな感じなのに目が離せないというか、平凡の中の非凡を体現していました。

【音楽賞】
  「イイネ!イイネ!イイネ」
【コメント】

今年は思い浮かばなかったので、完全に個人的趣味でこの映画(音楽=クレイジーケンバンド)の中でCKBが演奏し横山剣が熱唱する『生きる』に一票。

【ベスト外国映画作品賞】 
 「ダンケルク」
【コメント】

今になって新たに映画を「発明」しようとしているノーランの試みに打たれます。圧倒的な映像と音響で戦場を体感させる作品(IMAXの絵と音が最も生きる!)。 本当は『ネオン・デーモン』も挙げたかったのですが・・・。

【外国映画 ベストインパクト賞】
   [クリストファー・ノーラン]
【コメント】

外国映画作品賞と同じ理由でノーランです。 でも同じ理由で、『ネオン・デーモン』のニコラス・ウィンディング・レフンにもあげたかったなあ。

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【大江戸時夫が選ぶ○×賞】
   [本家の100倍面白いで賞] (「DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団」)
  [フロッグマン]
【コメント】

本家と言うべき『ジャスティス・リーグ』の100倍ぐらい面白かった! たぶん製作費は何百分の一ってところでしょうけれど。脚本・監督・声のフロッグマンさん、エライ!

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2018年1月16日 (火)

2017洋画トップテン

昨日の日本映画篇に引き続き、今日は外国映画篇です。

1.ダンケルク(クリストファー・ノーラン)  2.ネオン・デーモン(ニコラス・ウィンディング・レフン)  3.わたしは、ダニエル・ブレイク(ケン・ローチ)   4.マンチェスター・バイ・ザ・シー(ケネス・ロナーガン)  5.ラ・ラ・ランド(デイミアン・チャゼル)  6.女神の見えざる手(ジョン・マッデン)  7.残像(アンジェイ・ワイダ)  8.ドリーム(セオドア・モルフィ)  9.ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(ロジャー・スポティスウッド)  10.少女ファニーと運命の旅(ローラ・ドワイヨン)  次点.The NET 網に囚われた男(キム・ギドク)  

<その他の記憶すべき作品>  ノクターナル・アニマルズ  スノーデン  メッセージ  パッセンジャー  夜に生きる  ザ・コンサルタント  カフェ・ソサエティ  お嬢さん  カーズ クロスロード  メットガラ ドレスをまとった美術館  ファウンダー  ブレードランナー2049  否定と肯定  ザ・ウォール

監督賞:クリストファー・ノーラン(ダンケルク)   脚本賞:ケネス・ロナーガン(マンチェスター・バイ・ザ・シー)、ジョナサン・ペレラ(女神の見えざる手)   撮影賞:ホイテ・ヴァン・ホイテマ(ダンケルク)、ナターシャ・ブライエ(ネオン・デーモン)   主演女優賞:エル・ファニング(ネオン・デーモン)   主演男優賞:ルーク・トレッダウェイ(ボブという名の猫)   助演女優賞:ミシェル・ウィリアムズ(マンチェスター・バイ・ザ・シー)、エル・ファニング(夜に生きる)   助演男優賞:マーク・ストロング(女神の見えざる手)   新人賞:マッケナ・グレイス(gifted ギフテッド)

邦画とは反対に、前年の反動で秀作揃いの洋画ですが、テン以外の作品はあまり粒揃いとは言えませんでした。

1位『ダンケルク』は戦場を仮想体験させるような迫力のみならず、今この時代に新たに映画を「発明」しようとしているノーランの挑戦に驚愕と感動。IMAXの大スクリーンと音響を最も生かした映画なのでは? 2位『ネオン・デーモン』は圧倒的かつ独創的な美と色彩の奔流に陶酔していると、最後の10分程でレフンが自らぶっ壊しにかかるというデモーニッシュな衝撃作。天国の悪夢です。 3位『私は、ダニエル・ブレイク』は、怒りの映画であり、そのストレートなメッセージの強さに打たれます。4位『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、あらゆる面でレベルの高い映画。脚本も映像も演出も役者も見事! 5位『ラ・ラ・ランド』は色彩設計の素晴らしさと、ファースト&ラスト・シーンの感動!

個人賞では、撮影賞に二人選びましたが、『ラ・ラ・ランド』のライナス・サンドグレンと『ブレードランナー2049』のロジャー・ディーキンスも選びたかったぐらいです。 エル・ファニングは主演と助演ダブル受賞の快挙!

ちなみに『キネマ旬報』ベストテンに送ったのは、対象期間の関係で、テンの中に『アイ・イン・ザ・スカイ』と『聖杯たちの騎士』が入っておりました(大江戸のテンでは前年の対象作品)。

(邦画篇はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-f304.html

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2018年1月15日 (月)

2017邦画トップテン

はい、お待たせいたしました! 大江戸時夫の年間トップテン映画 of 2017年。年明けの落穂拾いも終わり、ようやく発表です。まずは邦画篇から。(  )内は監督名です。

1.THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY  リミット・オブ・スリーピング ビューティー(二宮健)    2.アンチポルノ(園子温)  3.DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団(フロッグマン)  4.MR. LONG ミスター・ロン(SABU)  5.彼らが本気で編むときは、(荻上直子)  6.牝猫たち(白石和彌)  7.幼な子われらに生まれ(三島有紀子)  8.光(河瀬直美)  9.サバイバル・ファミリー(矢口史靖)  10.ナラタージュ(行定勲)  次点.勝手にふるえてろ(大九明子)

<その他の記憶すべき作品>  予兆 散歩する侵略者  君の膵臓をたべたい  奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール  あゝ、荒野(前篇・後篇)  ミックス。  ラスト・レシピ 麒麟の舌の記憶  MATSUMOTO TRIBE  ビジランテ  南瓜とマヨネーズ  エルネスト  探偵はBARにいる3

監督賞:二宮健(リミット・オブ・スリーピング ビューティー)   脚本賞:フロッグマン(DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団)   撮影賞:相馬大輔(リミット・オブ・スリーピング ビューティー)   主演女優賞:有村架純(ナラタージュ)  主演男優賞:浅野忠信(幼な子われらに生まれ)   助演女優賞:宮﨑あおい(ラスト・レシピ 麒麟の舌の記憶)   助演男優賞:松坂桃李(キセキ あの日のソビト)、ユースケ・サンタマリア(ああ、荒野)   新人賞:桜井ユキ(リミット・オブ・スリーピング ビューティー)  コメディエンヌ賞:新垣結衣(ミックス。)・松岡茉優(勝手にふるえてろ)

2016年は邦画が大豊作だったのですが、その反動で物足りない1年でした。これじゃあ第1位に据えられる作品が無い!と焦っていたら、11月になって『リミスリ』が登場して助かりました。映像を観ることの悦楽とドキドキ感が、そこにはありました。2位の『アンチポルノ』ともどもカラフルで奔放な映像美学が、昨年他界した鈴木清順さんの生まれ変わりのようでした。『DCvs鷹の爪』は、『ジャスティス・リーグ』の百倍面白いです! 『あゝ、荒野』は前篇は素晴らしかったのに、後篇でめちゃめちゃ失速しましたからねえ・・・残念。

振り返れば女性監督の作品が多く、次点まで含めた11本中4本も入っているのですね。また前年大きく躍進したアニメ作品が、(反動なのか)ちょっと振るいませんでした。

明日は洋画篇です!  

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2018年1月14日 (日)

「マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年」:チャーミングなマノロさん

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映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』は、近年急増したファッション・ドキュメンタリー映画の中でも、「靴のデザイナー」を扱ったということで珍しい一品。クリスチャン・ルブタン、セルジオ・ロッシと並んで「世界三大ハイヒール・ブランド」と言われるマノロ・ブラニクのマノロさんをフィーチャーしたドキュメンタリーです。

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若い頃は細身のイケメンだったことも写真などで紹介されるマノロさん。現在は貫禄のあるお姿ですが、靴のデザインから、工房での原型作りから、デパートや書店でのサイン会から、精力的に活動している様子です。何より婦人靴作りが好きで好きでしょうがないってことが、よーくわかります。そして丸メガネにボウタイにスーツというクラシカルな格好が、その色彩センスも含めて、実にチャーミングな紳士です(オネエ入ってますけど)。

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アナ・ウィンター、ジョン・ガリアーノ、リアーナをはじめ、ファッション界の人々もみんなマノロが大好き。靴も本人も愛されていて、実に幸せな人です。 ところがこのおじさん、センシティヴなアーティストなので、他人と暮らすなんて耐えられないと公言しております。まあ、そんなもんなんでしょうね。

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この映画は愛すべきマノロさんの人間像に焦点を当てていて、彼の作品=靴については通り一遍にしか描かれません。映画作家の興味はそこにはなかったのでしょうね。ただ作品あっての彼ですので、そこが(この映画の魅力ということを考えても)ちょっと残念なところです。 それにしても見事な豪邸にお住まいでございます(ドリス・ヴァン・ノッテンもそうでしたけどね)。

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「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」:美の探求者

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映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』は、孤高のファッションデザイナー=ドリス・ヴァン・ノッテンのドキュメンタリー。ごくごく真っ当なファッション・ドキュメンタリーでありまして、でも極めて面白く興味が尽きない作品です。

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ドリスのメンズウェア&ウィミンズ・ウェアのショー及びその製作過程を追い、一方でその美しい生活を描き出します。本人の言葉と、ファッション業界の人々のインタビューを交えるあたりも正攻法です。その中で彼の長年のパートナーが男性だということもわかりますが、極めて自然なスタンスで描いていきます。全篇を通した無理の無さ感もリラックス感も、まさにドリスって感じです。

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ベルギーのアントワープにあるドリスの家ってのがまた植物に囲まれたクラシカルな豪邸でして、その庭に咲いている美しい花を取って来て生け花のようにアレンジしてテーブルを飾る様子など、いやー、見事に美しい生活ですね。彼のデザインする服の美しさや無理のない華やかさとも合致しているように感じました。この人の人格や内面の魅力が、作品ににじみ出ているのでしょうね。

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この映画で目にすることのできるドリスのクリエイション(特にウィミンズ)は美しくて素晴らしくて、見ていることがとてもハッピーです。あれだけ色を使ったり装飾を加えているのに、あれだけ「品」があるというスタイルは、まさにドリスならではです。この映画自体も、そのドリスらしさを乱すことなく品を保ちながら、観ることがとてもハッピーである、そんな作品になっていました。

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Fリーグのベルマーレを初観戦

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フットサルのFリーグ、ちょっと興味はありながら、大江戸はこれまで生観戦をしたことがりませんでした。でも今日初めて駒沢屋内競技場に行って来ました。Fリーグのリーグ戦は終了したのですが、上位チームが優勝や順位を決める「プレーオフ」ってのがあって、3位湘南ベルマーレvs.4位フウガドールすみだの試合があって、「おお、駒沢なら平塚へ行くより全然近いや」というわけで、初のFリーグ観戦となったのです。

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チームの旗もユニフォームも、サッカーの湘南ベルマーレとはちょっと違うのですが、ライトグリーンとブルーの配色は一緒なので、客席のサポーターたちの多くは、サッカーのレプリカユニフォームを身に着けておりました。いやー、湘南側のサポーター、多かったっす。東京開催なのに、神奈川のチームの方が応援で圧倒しているのです。

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その上、応援チャントはサッカーのベルマーレと一緒。なので、普段はサッカーチームのサポの方々もみんなすぐに歌えます。本日の大江戸はリサーチ不足で、熱心なサポ席の上の方にいたのですが、甘かった。試合が始まるとみんな総立ちになって、チャントを歌って応援します。サッカーでアウェイに応援に行った時の感じでした。久々に大声出して歌い続けちゃいました。あまりにも差があって、すみださんちょっとかわいそうでした。

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初めて観るフットサルの試合は、すごくスピーディーで、フィジカルコンタクトが激しかったです。サッカーならファウルを取られるような当たりでも、笛が鳴りません。選手たちとの距離も近いので、迫力があります。ゴレイロ(ゴールキーパー)が至近距離からのシュートを止めまくります。

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試合は前半0-0で折り返し、後半にベルマーレが先制! その後、すみだが追いつき、引き分け間近の残り時間3秒(!)に、湘南のゴールが決まり、勝利を決定づけました。しかし、フットサルというのは、純粋なプレー時間以外は時計が止まるので、いろんな事が起きます。残り3秒なのに、2つ3つのプレーがあって、残り1秒からのセットプレーですみだに点を取られてしまいました。結果は2-2。でも大会規定により、リーグ戦上位の湘南が準決勝進出となりました!パチパチ。 

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フットサルって前半20分、後半20分で、だんだん時間が減って行って0になるまで戦うのですが、先述したようにボールが動いていない時は時計が止まるので、結局45分ぐらいずつかかります。なので、ハーフタイムを入れてちょうど2時間弱と、サッカーとほぼ同じ時間がかかっていました。よくできていますね。

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それにしてもヒヤヒヤする試合でした。すみだはかなり試合を支配していて、ベルマーレは(サッカーとは違って)粘っこく守ってカウンターというチームでした。ゴレイロのフィウーザ選手が何本となく決定的なシュートをブロックしてピンチを救ったことが最大の勝因のように思えました。いや、凄かった。顔面ブロックもあったし。

元ベルマーレの名選手ボラが今はすみだにいるのも、不思議な縁の試合でしたね。

小生も久々に隣の人たちと肩を組んで、「勝利のダンス」(サッカーと同じ)を踊っちゃいましたよ。駒沢のスタンドが揺れたこと思います。 いや、面白い経験でした。のめり込むことはないと思いますが、機会があればまた観てもいいかなと思いました。

ただ(少なくとも駒沢では)場内にはドリンクの自販機があるのみで、食べ物は一切なし。サッカーだといつもビール+フードがマストの大江戸としては、ちょっと物足りなく感じたことも事実なのでありました。

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2018年1月12日 (金)

2017キネマ旬報ベストテンが発表されましたね

2017年の『キネマ旬報』ベストテンが昨日発表になりましたね。

http://www.kinenote.com/main/kinejun_best10/

邦画は、基本的に不作の年だったと思います。なので、例年以上に納得がいかないというか、へんなテンだなあという思いも・・・。去年の落穂ひろいもほとんど終わったので、大江戸のテンももうすぐ発表しますけど、たぶん10本中2本しか重なっていません。 まあ、1位『夜空はいつでも最高密度の青空だ』・2位『花筐 HANAGATAMI』とも「そこまで良い作品ですかい?」って感じですし、3位『あゝ、荒野』に関しては、前篇は最高だったのに、後篇でえらく失速してしまいましたからねえ。 自分で選んだ上位作品は、絶対ここでは上位に入らないだろうとわかっていたので、案の定その通りの結果でした。

洋画は、『わたしは、ダニエル・ブレイク』の1位は予想外ながら結構嬉しいです(ケン・ローチの最高作でしょう)。でも『パターソン』の2位にはびっくり(そこまで良い作品ですかい?)。3位『マンチェスター・バイ・ザ・シー』には、「へー、ちゃんと高く評価してもらえたんだ。」との思い。そして『ダンケルク』の4位にもまずまず納得(本当はもっと高い位置だと思ってますが)。でも5位の『立ち去った女』だけは、邦洋20作品中唯一の未見作なのが悔しいです(1館のみの公開で、観に行こうと思った時には終わっていました)。『ネオン・デーモン』はやっぱり入らなかったかあ(まあ、そうかもね)。

そんなこんなで、大江戸時夫版ベストテンにご期待ください。

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2018年1月11日 (木)

「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」:ただただ凄い絵

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映画『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』は、ボスの代表作であるトリプティック『快楽の園』の謎に迫るドキュメンタリー。でも結局上映時間90分のほとんどにわたって、この絵の部分部分を眺めているという稀に見る(教育的な)アート・フィルムです。

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まあ絵を写してるだけではさすがにしょうがないので、美術界をはじめとする各方面のお歴々がこの絵について語ります。でもその感想や解説が意外と普通のことを言っていて、面白くありません。もっと型破りな意見とか、おっと思うような感想を聞きたかったですね。

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X線を使って、この絵の具の下を解き明かしたパートなんかは、普通なら大変興味深くなりそうなものなんですけど、意外と面白くなかったですねー。やっぱりボスの絵自体の尽きない謎と面白さには勝てないのです。もしかしたらやっぱり、ひたすら絵の細部を映し続ける90分の方が魅力的だったかもと思ってしまいます。

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全編を通して浮かび上がって来るのは、改めてボスがいかに凄い天才、いや鬼才であるかです。500年以上前の作品が、まったく古びずに今日の我々に謎を投げかけ、我々はその絵に魅きつけられて、ただただ驚嘆するのみ。宇宙人と交信したかのような超絶イマジネーションにあっけにとられるばかりです。 映画としてどうこうっていう作品じゃあなくなってますよね。

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2018年1月10日 (水)

「ジャコメッティ 最後の肖像」:かばいきれないろくでなし

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映画『ジャコメッティ 最後の肖像』は、あのマーク・ストロングと間違えやすいボールドヘッドのスタンリー・トゥッチによる初監督作品(脚本も)。彼自身は出演せず、大真面目で監督業に徹しています。そして完成した作品は、極めて抑制の効いた(作家的主張を抑えた)及第点の職人仕事でした。コンパクトに90分にまとめたあたりも、新人らしくって好感が持てます。

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数時間で終わるという言葉に乗せられて肖像画のモデルを引き受けたら、1週間たっても十日たってもいっこうに終わらないという、極めてカフカ的な状況。そんな状況下の芸術家とモデルを描いただけの映画です。シンプルきわまりないお話。そして、映画的にも室内が多く、見せ場や起伏にも乏しく、盛り上げようがない作品です。まあ、20世紀美術好きの大江戸としては、結構おもしろく観ておりましたけど。

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それにしても、天才芸術家ってやつは困ったもんです。 他人のことなどこれっぽっちも考えず、気まぐれで、常識はずれなろくでなし。あまりお近づきにはなりたくない感じですね。 この映画は、そんなゲージツ家のろくでなしな面をあれこれ描いたものの、その作品の素晴らしさやアートとしての圧倒的な凄さ について、ほとんど描いていないのが欠点です。その両面を描かないと、限りなく「ただのろくでなし」になってしまいますからねえ。

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まあジェフリー・ラッシュがうまいのは当たり前ですけど、モデル役のアーミー・ハマーも無表情な中に結構いい味を出しておりました。

そして本作のラストも、急にエスプリの効いた小粋な味わいを出してくれました。もっとこういしなやかさが全編に出てたらなあ・・・。

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2018年1月 9日 (火)

「嘘八百」:ゆるゆる笑いも、欠点多くて・・・

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映画『嘘八百』は、正月気分の抜けないうちにゆるりと観てゆるゆると笑える感じの(まあ、つまりは昭和の正月映画の添え物的な)作品です。武正晴監督も職人仕事に徹しています。

このオリジナル脚本(足立紳・今井雅子)がゆるいんですよね。はっきり言って、欠点もいろいろあります。

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『なんでも鑑定団』的なうんちくをちりばめながら、『スティング』的な(と言っては褒め過ぎですが)だまし(コンゲーム)をやる所まではいいんです。でもその切れ味が鈍かったり、ディテールが嘘くさかったり、人物がカリカチュアライズされ過ぎていたりして、どうにもシャープじゃないんですよね。こういうのはやっぱり小粋にチャキチャキっとやってくれないと(「茶器」の話ですし)。

361607_007_2最もうまく行っていなかったのが、中井貴一の娘役・森川葵と佐々木蔵之介の息子役・前野朋哉のカップルの造形。男の方も類型的過ぎるうらみがありますが、女の方は「こんなやつ、いねーよ」的なリアリティの欠如です。ジオラマオタクに一目ぼれするあたりも「なんだかなー」ですけど、その男にいつも「エヘエヘ」的な笑いでバカみたいになっちゃってるところとか、終盤のあり得ない行動とか・・・、どうにもしらけちゃうんですよねー。ウソくさくて。

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クライマックスもさほど大きく盛り上がることはなく、その後の堀内敬子がらみのドタバタなどは、ほぼ意味不明なほどバランスを崩しちゃってます。色々と残念な作品です。

役者陣の中で良かったのは、大物鑑定士に扮した近藤正臣の風格と腹芸。そして、贋作チームのメンバーで書の達人に扮した木下ほうかの淡々と飄々とした味わいでした。

 

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