2017年10月16日 (月)

「わたしたち」:子供はつらいよ

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映画『わたしたち』は、韓国の女性監督(’82年生まれ)による子供映画の佳作。子供映画ってのも大ざっぱなくくりですが、小学生女子たちとその家族の物語。いやー、「子供もつらいよ」っていうか、むしろ「子供はつらいよ」です。子供であるがゆえに親や先生には従わざるを得ないし、子供であるがゆえに解決能力を持っていません。誰もが悶々と悩むだけなのです。

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そうなると大人よりも子供の方が、悩む生き物なのかも知れませんね。だけど4歳の弟くんは悩みません。まだ悩む段階に至っておりません。シンプルに本能で動きます。いいですよね、この子のボンクラな感じ。そして、だからこそ最後に奇蹟の名言を放つのです。358697_002

それにしても、本作におけるいじめの構造、いじめの実態はかなりリアルです。しかも、物言わぬ心の内の逡巡や裏切りや言い訳を、その心理描写を、この映画は見事に成し遂げています。

ドッジボールだとか、海苔巻き(太巻き)のお弁当だとか、塾だとか、やっぱり韓国の暮らしって、日本に似てますよねえ。

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(以降ネタバレあり) 最後の方で幼い弟くんが言う言葉の素晴らしさ。「仕返しをしてたら、いつ遊べばいいの? ぼくは遊びたい。」は、姉をハッとさせるだけではなく、観客をもハッとさせ考えさせる意外な衝撃力を持っていました。なーんだ、子供ばかりじゃなくて国と国だって同じじゃないか、報復をし合ってもいいことなんてないよ、と。

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2017年10月15日 (日)

「ナラタージュ」:静けさと情感の恋愛映画

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映画『ナラタージュ』の原作by島本理生は、だいぶ昔に読みました。かなり好きでした。でもほとんど内容を忘れていました。でも今回の行定勲による映画化は、原作とは違う手触りなんですけど、うまく行定ワールドの中で良い映画にまとめてあると感じました。

静かな映画です。映画音楽もかなり少ないのですが、それ以上に雨の音だとか沈黙の支配する場面だとか、静寂さが強調されています。有村架純と松本潤の「温度の低い」演技も、その静けさを増幅させています。キラキラ映画とはえらい違いです。

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その上、やたらと雨が降っています。富山が舞台ということもあって、カラッと晴れることがありません(まあ、富山にだって晴れの日はあるでしょうけど)。海辺だって、やけにいろんな物が落ちてるし、常に曇ってます。 この晴れない感じ、いつも雨の感じが、主人公(有村)の心象風景であることは言うまでもないでしょう。いいですね。大人の映画として成り立っています。そりゃあ、映画内にも出て来る『浮雲』あたりとは較べようもありませんが、今の恋愛映画として悪くないと思いますよ。

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日本映画って、意外にちゃんとした恋愛映画が少ないんです。そういう意味でも貴重です。登場人物たちの言葉の裏側のいろんな思い、頭の中をぐるぐる回っているあれこれを表現できているのが立派だと思います。 でもそういった心内語をキャッチすると、この先生(松潤)ってかなりズルイ人ですし、主人公(有村)ってけっこうしたたかな人でもあります(有村さんはそこらへんを結構繊細に演じておりました)。 そして坂口健太郎に至っては、ほとんどサイコパスなDV野郎であります。主人公、別れて良かったですよ、はい。

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松潤の先生だって、一歩間違えたら(逮捕はされないにせよ)失職しかねないことしてますよねー。この人こそ、淋しそうな顔をした天性の「魔性の男」なんじゃないでしょうか。

(以降ネタバレあり) で、この恋愛のキモは「最後の一夜」があること。あれのおかげで、主人公は思い出と共に生きていけるのです。前へ進めるのです。そういった描き方をさりげなく、でもきっちりと行って、情感を醸し出せる行定勲は、やはりいい監督だと再認識しました(まあ、ムラのある人ではありますけどね)。

 

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渋沢栄一ゾーンと動物さんゾーン

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都電(Tokyo Sakura Tramって言うんですね)の走る街、王子。その飛鳥山にある渋沢資料館を、過日訪れました。

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明治時代に、現代日本の産業の大元をほぼ一人で作り上げた男=渋沢栄一の生涯と業績を紹介する記念館です。大江戸も初めて訪れました。

1982年開館とのことですが、最近お色直しをしたのでしょう。新築のようにきれいでした。 常設展に加えて、企画展の『渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く』(~12/10)ってのをやっていました。

写真や銅像で見る渋沢栄一って、ちょっと「ひふみん」に似てるなあ、なんて思ったりして・・・。

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そこを出てから、道を挟んだ所にある「青淵(せいえん)文庫」(重要文化財)に向います。石造りの西洋建築ですが、これ栄一の傘寿のお祝いに贈られた書庫なのだそうです。ただ、現在2階は見ることができなかったので、少しのスペースしか味わえませんでした。まあ、閲覧室などは旧朝香宮邸(庭園美術館)を思わせるものがありましたけどね。

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建物の裏手に回ると、むしろこっちの方が魅力的かもと言えるような感じ。中央の張り出し部分が、良いアクセントになっているのですね。

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更にその隣にあるのが、「晩香盧(ばんこうろ)」(重要文化財)。こちらは栄一の喜寿を祝って贈られた賓客おもてなし用の洋風茶室なのだそうです。説明書きに「バンガローから取った名前」とあって、びっくりぽんでした。ここも見る所はちょこっとでした。

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高尚な気分で渋沢ゾーンを去ると、隣は飛鳥山公園の児童エリア。SL(D51)なんかも鎮座してたりします。

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でも大江戸の目を引いたのは、こっちの変な動物たち。広場の一角に、ある程度集中的に設置されておりましたが・・・、おそらくはコンクリートにペンキ塗装です。

このタコさん、なんかとぼけてていいですよねー。黄色いハチマキがお似合いです。

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こちらのカメさんも、かなりかわいくて結構です。

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シロクマさんは、割とリアルなタイプ。でもシンプルそのものです。

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そしてブタさん。なんか日テレのマークをちょこっとだけ想起。でもなんで青いの?? 青ブタ。アオブタ・ブルーベリージャム?って、それは「アヲハタ」。

いやー、ほかにもありましたが、みんないい感じで乗りたくなっちゃいますです(乗らなかったけど)。

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2017年10月13日 (金)

「エルネスト」:時代と場所に翻弄された純粋な魂

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映画『エルネスト』は、なかなか興味深い作品でした。チェ・ゲバラの訪日とか、ゲバラに目をかけられた日系人=フレディ前村の生き方と死に方とか、キューバ側市民から見たキューバ危機とか、題材の切り取り方がいいですね。もちろん、それを料理するお手並みも。大江戸は、阪本順治監督とはどうにも性が合わないようで、『キネ旬』ベストワン上位になるような作品でも全然評価していなかったりするのですが、この作品は悪くないですね。

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ちなみに小生の好きな阪本作品をフィルモグラフィーで調べてみたら、2017『エルネスト』、2007『魂萌え!』、1997『傷だらけの天使』と、ちょうど10年周期なのでした(その10年前の1987年はまだデビュー前でしたぁー)。

ゲバラものとしても、『モーターサイクル・ダイアリーズ』とかソダーバーグの『チェ』二部作よりも面白いと思いました(と言っても、本作ではゲバラは脇役なのですが)。

二十代前半の役を演357887_009じるオダギリジョーが、やけにみずみずしいのです。澄んだ瞳と純な心を見事に表現しておりました。魅力的な人物造形です。 また、医大の学生たちの群像描写も、とても生き生きとしています。ここらへんは、海外での撮影経験も豊富な阪本監督だからこその部分ですね。変に気張らないで、安定感があるのです。日本で撮ってる時より、よっぽど上等です。

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今こうして見ると、なんとも「もったいない」人生だと思えます。なんで?と・・・。でもフレディにとっては、これこそが自分の魂に従った「リアル」な生だったのでしょう。時代と場所で、人の一生は決まっていくのですね。

ゲバラが広島の平和記念公園を訪れた時に「二度と過ちは繰り返しませぬ」の碑文を見て、「主語が無い」という部分は、論議を呼ぶことを覚悟で阪本監督が攻めちゃってる部分ですね。まあ、大江戸は基本的に「思想に合う合わないで映画の価値を判断するのはやめようよ」派なので、そこにばかり拘泥しないでほしいとは思っておりますが・・・。

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2017年10月12日 (木)

「ダンケルク」(2回目):IMAXの前の方で観るべき映画

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映画『ダンケルク』を公開初日(9/9)に観て、その凄さに大いなる感銘を受けた大江戸です。(1回目の記事はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-d4f0.html

でも、これはIMAXの大スクリーンで、しかも前の方の席で観なければと思い続け、ようやく数日前にTOHOシネマズ新宿に行ってまいりました。

いやー、大正解でした。思った通り、床から立ち上がるIMAXのでかいスクリーンが(ほぼ)視界全体に広がり、そこに迫力のドルビー・サウンドが重低音を響かせながらガンガン迫って来る迫力たるや! 前から5列目の真ん中近くに席を取ったので、本当に映像と音響に包み込まれる体験でした。これまで大江戸が観た中で、最もIMAXの効果を発揮した作品です。

それはこの映画が、映像と音響でリアルな戦場を体感させるように作られているから。いやー、弾丸の音が、爆弾の炸裂音が、飛行機の爆音が、腹に来る重低音効果もあって、本当にコワイです。しかもハンス・ジマーの無機的で不安をかき立てる音楽が、もの凄い効果を上げています。ほとんど映画音楽の革命です。 というわけで、この映画は「映画って映像×サウンド」だってとを、最強レベルに証明してくれています。

こんなIMAX環境でこの映画を観たら、感受性が強く映画慣れしていない子供やローティーンだったら、PTSDになってしまうのではないかと心配になるほどでした。正直、小生だって(二度目の鑑賞なのに)不安になったり、緊張したり、怖くなったりしましたもん。

一方では眼前に広々と広がる大空が絶景でありました。 空に限らず、ことごとく見事な「絵」が撮れています。ああ、やっぱり映画ってのは家のテレビで見るものではありませんね(いわんやスマホやタブレットをや)。

2回目で、更に評価が高まりました。本年度の大江戸ベストワンに王手!といったところです。

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2017年10月11日 (水)

「ミックス。」:ガッキーの魅力/ウェルメイドなコメディ

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映画『ミックス。』を試写会で観ました。本作は、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『探偵はBARにいる』シリーズや、TV『リーガルハイ』『デート』などの古沢(こさわ)良太脚本によるコメディ。これもまた『がんばれ!ベアーズ』的というか、ポンコツチームの奮闘記です。しかも監督も『リーガルハイ』の石川淳一ってことで、ガッキーとの相性も抜群です。まあ、この映画、新垣結衣を魅力的に撮れれば、それで成功ってことですからね。

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コメディエンヌ新垣結衣は、期待通り絶好調。いいですね。ゴールディー・ホーンみたいです。今回はジャージーみたいなゆるゆる姿が多いですが、りりしいランニングウェアだとか、パーティー場面でのちょっとオシャレな感じとか、しまいにはまた(『逃げ恥』に続いて)セーラー服姿まで披露しておりました。運動神経悪そうなガッキーさんにしては、卓球シーンの動きもかなり頑張っておりまいた。

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今回は瑛太もやけに爽やかでした(髪やヒゲがむさ苦しい割には)。で、この作品、何気にかなりのオールスター・キャストです。主役級の役者さんたちを、脇でバンバン使っています。中でもインパクト大だったのは蒼井優。中華料理店の中国人に扮して、かなり暴れてます。でも好演だと思います。 そして広末涼子なんか、最初のうちはめっちゃくたびれたオバサンメイクなので、驚いちゃいました(終盤には若々しくなるのですが)。

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笑わせ所を熟知した脚本と演出。スポ根ものとしてのルーティーンに当てはめていきながら、肝腎なところであえて外していく意地と現代性。感動がベタにならないような配慮と創意。いやー、ウェルメイドな娯楽作であります。これぐらいのがアベレージになってくれたら、日本映画ってすごく豊かになるのになあと感じました。 終映後には拍手が起きました。

古沢・石川コンビは、前作『エイプルル・フールズ』での意余って力足らずな失敗を、しっかりと取り返したと思います。

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試写会場の入口でくれた(紙製)うちわとピンポン球。おお、これがあればどこでもスマッシュできちゃうってわけですね。 で、気がつきました。『ミックス。』の最後の「。」って、ピンポン球を意味してたんですね。なるほど。

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ハイチと言えばゾンビでしたね、ってな試合

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日産スタジアムで、キリンチャレンジカップの日本vs.ハイチ戦を見ました。前売りが売れ残っていたようで、ハリルホジッチ監督や選手たちが色々とPRしていたようですが、結局はフル・キャパシティの2/3ほどの47,420人。メインスタンドはもちろん、ゴール裏もアウェイ側や2階は空席が目立つ状況でした。

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小生がここでサッカーを見る時は、ベルマーレがマリノスと戦う時ばかりなので、必然的にゴール裏のサポ席となります。なので、バックスタンドの良い席で見るなんて初めてです。

ですけど、ここピッチが遠ーいなあー。陸上競技場のトラックを緑のシートで覆っているもんだから、埼スタあたりに較べると選手たちがはるか彼方です。おまけにスタンドの傾斜は緩いし、(キャパが大きいとはいえ)よくこんな所でワールドカップの決勝をやったもんだと感心しちゃいました(むしろ「寒心」)。

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試合は前半、日本画ぐいぐい攻めて2点を先取。いったい何点取れるんだろう?と、楽勝の雰囲気でした。

ところが好事魔多し。その後、ゆるゆるだったハイチDFが徐々にコンパクトになり、動きも良くなって来ると、選手交代の影響もあってか、日本の攻撃が機能しなくなります。あれ?おや?まあ?と、気がつけば2-3と逆転されておりました。

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え?ちょ、何それ??と思ってるうちにアディショナルタイム。まあ、そこで酒井高徳のシュートを香川がコース変えて、なんとか3-3ドローで最悪の結果を免れました。

お粗末な試合というか、昌子も槙野も東口も遠藤航も車屋も、アピールするには程遠い出来。おまけに、こりゃまずいと原口、香川、井手口、大迫を投入しても、期待ほどの効果は得られずで、まあハリルホジッチ監督が怒ったり嘆いたりするのもごもっともという試合でした。でも倉田秋だけは、随分と自信つけたなあっていう印象で、躍動しておりました。

それにしても、奇妙なDsc_1932試合でありました。序盤のハイチは時差ボケで寝てたんでしょうか? 後半との違いの大きさに唖然としてしまいました。 そうか!ハイチと言えばゾンビ伝説の元祖でした。だから、ゾンビのように死んでいたものが、後半甦ったわけですね。

代表戦名物のおみやげ。今日のは。ミニフラッグと、2018ダイアリー(手帳)でした。

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2017年10月 9日 (月)

「あゝ、荒野」:良い日本映画の熱量

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映画『あゝ、荒野』は寺山修司の原作を、半世紀たってから映画化。しかも前篇2時間37分、後篇2時間27分、合計5時間4分の堂々たるスケールです。

でも前篇を観た限りでは、その長さを感じさせない面白さ。むしろもっと見続けていたいほどでした。早く後篇を観たいと思わずにはいられません。

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舞台は’60年代ではなく2021年の新宿。開巻早々の爆弾テロ・シーンに驚かされます。でもそこで、この「2020東京オリンピック後の物語」にすんなりと入っていけますし、考えてみれば寺山原作は「1964東京オリンピック後の物語」であったんだなあと納得いたしました。

とはいえ、やけに’60年代感覚が漂います。街並みの空気にせよ、男と女の関係にせよ、ボクシングにせよ、近未来の匂いよりも’60年代の匂いの方が濃厚です。

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ドローンとか自殺防止フェスティバルの部分は確かに近未来的でしたが、あそこは微妙ですねえ。この作品においては、かなりの異物感でありました。現代に(近未来を舞台に)寺山的なものを創ろうとしたチャレンジの結果だとは思うのですけれど・・・。

この作品の良さは、ボクシングという太い幹を通して男二人をしっかりと描いていること。脚本も演出も見事な力量なので、どの場面も面白く、見飽きることがないのです。本物の「良い日本映画」の熱量が、全篇に満ち満ちています。

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菅田将暉とヤン・イクチュンの良さは言うまでもありませんが、ユースケ・サンタマリアがえらくいいのです。いつもはやり過ぎだったりヘタだったりする彼が、ここでは抑制を効かせながらもユーモアを滲ませて、味わい深い好演を見せてくれます。 彼が片目だってことと、でんでんのトレーナーがニッカーボッカー姿のおっちゃんだってことと合わせて、かなり『あしたのジョー』的でもあります。そこもまた’60年代的なところですねえ。

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「アウトレイジ 最終章」:日の名残り

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映画『アウトレイジ 最終章』は、1、2同様に面白いのですが、一方でやや物足りなくもありました。抗争ヤクザ映画としての構えはしっかりしていますが、1や2のような「勢い」がなくなっちゃって、妙に落ち着いちゃってます。『ゴッドファーザー』の1と2に対する3のような感じでしょうか。そういった意味では、ちょうどよい引き際だったのでしょうね。

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だって、ビートたけしの滑舌が悪くて(TVでも感じることですが)、口が回らない年寄りのしゃべり方になっちゃってますから。バカヤロー!とタンカ切っても以前とは違って、どうにも違和感があるのです。 そういった意味では、病気を患ったという塩見三省さんや西田敏行さんの痩せようも、観てるこっちが心配になっちゃいます(まあ塩見さんは「BEYOND」でのド迫力とは違った意味での気味悪さが出ていて、目が離せませんでしたけど)。

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(以降ややネタバレあり) 暴力や殺し方の工夫(?)も本シリーズの見どころではありましたが、今回はほとんど銃ばかりで、淡泊でした。宴会場でマシンガンをぶっぱなしても淡泊なんですから(幻想シーンかと思っちゃいましたよ)。淡泊というよりは「虚無感」なんですかねえ。 唯一凝っていたのは、大杉漣さんの殺し方ですが、あれだって『北陸代理戦争』ですし・・・。

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そもそも大友(たけし)の大暴れに納得できるだけの理由がないのが、映画としては弱い所。その上あの結末では、・・・良く言えば「詩的」、悪く言えば「筋道立てた創作を放棄しちゃった」感じ(それは北野映画全般に言えることですけど)。

まあ、それでも「サラリーマン社会的」なヤクザ映画の面白さは、捨てがたいんですけどね。消えゆくヤクザと仁義に捧げる「日の名残り」とでも申しましょうか。

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2017年10月 8日 (日)

調布にイオンシネマ誕生

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9月末に調布にイオンシネマのシネコンが出来たっていうんで、行って来ました。

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これまで都心部にはなく、23区内では唯一板橋にあるだけだったイオンシネマズですが、新宿から京王線で14分とか18分とかで着く場所にできたんです。

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調布って、日活や大映の撮影所で有名な「映画の街」だけに、駅の表示板もなんとフィルムの形状を模しております。でも映画のデジタル化によって、今後こういうフィルム型って、「映画を表すアイコン」として通じなくなっていくんでしょうねえ。

駅前の大きな広場(空地?)には、地元FC東京のマスコット「東京ドロンパ」の大きなふわふわが。

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まあ、シネコンだけができたわけじゃなくて、駅前を再開発して、トリエというショッピングセンター(1,2,3に分かれています)を作ったのですね。1が一番大きくて、ファッション、リビング、フード、レストランと、いろんなものが入っています。2はビックカメラ。そして3に飲食店などと共にイオンシネマの「シアタス調布」という11スクリーンのシネコンが入っているのです。

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エスカレーターで2階に上がって、すぐにほの暗い空間が広がります。計算された光線やフローリングの床が、なかなかいい感じです。

ここもTOHOシネマズやSMT同様、6本見ると1本無料鑑賞のサービス(ただしポイントカードは200円で購入する)がありますし、毎週月曜は1,100円だとか55歳以上は毎日1,100円だとか、京王パスポートカードやイオンカードの割引があるとか、お得なサービスがいっぱい。

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場内もご覧のように、薄暗くて間接照明で、ウッディです。いい感じです。

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大江戸は(昼食をはさんで)2本ハシゴしたのですが、どちらのスクリーンも昨日公開になったばかりの話題作(『アウトレイジ 最終章』と『あゝ、荒野』)なのに、かなり空いていました。大江戸はインターネット予約して来ましたけど、どの作品も当日券でオッケーなんじゃないでしょうか? 日曜の午後なのに、新宿のシネコンの混みようとは大違いでありがたいところです。しかし、あんまり入らないとつぶれかねないので、まあ適当に入ってちょうだいね。

ぶったまげたのは開映前に男子アルバイトと思われる売り子さんがやって来て、ポップコーン、都こんぶ(100円)、ハーゲンダッツ・アイスクリームを売り始めたこと。結局誰も買わなかったのですが、「おせんにキャラメル」の伝統ですね。びっくりだ。

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館を出てちょいと横に行けば、こんなレトロな「調布銀坐」なる商店街が! なぜか銀座じゃなくて「銀坐」なんですね。なぜだろう? 垂れ幕には「ここに駅舎があったから調布銀座が誕生しました ありがとう京王線」と書かれていました。そう書かれても、よくわからない。詳しく知りたい方は、調べてみてください。

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