2017年11月17日 (金)

リトゥンアフターワーズのファッションショー@庭園美術館

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東京都庭園美術館で展覧会『装飾は流転する 今と向きあう7つの方法』が開催されるのを記念してということでしょう、同展に参加しているファッションデザイナー山縣良和のブランド「writtenafterwards リトゥンアフターワーズ」の2018春夏シーズンのファッションショーが、庭園美術館の建物前スペースで開かれました。

(展覧会のリポートはこちらの記事↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/11-0e83.html

Dsc_2086あたかも陸上競技トラックのような楕円形ランウェイのまわりを取り囲むように客席が設置され、目検討だと立ち見を含め千人を超える観客が集まりました。ホントいつもながら、山縣人気は凄いですね。

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18時開演予定だったのに、その時点でまだ入場することもできず、結局33分押しでスタート。ランウェイが長いこともあり、ショーは長めの25分でした。

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ショーのタイトルは『After Wars』。相変わらずと言うか、色々とやってくれました。

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モデルを取り囲むスーツ姿の芸能レポーターたち。 モデルの乗った大八車を引く軍人。 巨大なぼろ布の塊。 赤ずきんちゃんの集団みたいな女の子たち。 棺を引っ張る男。 千羽鶴風ドレスのモデルに率いられた詰襟学生服の男子学生たち。 歩く木! 歩く山!!

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もう、木や山に至ってはどこがファッションなのかと頭を抱える展開ではありますが、まあそこが山縣さんなので、しょうがないですね。だから、現代美術として観れば、ぜんぜんアリなんです。

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オーディエンスの空気を観察すると、「期待通り変なものが観られた」「伝説的な場に立ち会えた」という熱気と興奮が大勢を占めた感じでした。特に若い層においては。

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木とか山とかが通ると、結構(ペンキみたいな)塗料の匂いが漂ってまいりました。

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フィナーレの最後には山縣さんが登場し、陸上ランナーのように長いランウェイを1周しました。

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この山縣人気はまだ当分続きそうです。良くも悪くも。まだ「ファッション村」の中の話ではありますけどね。

 

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展覧会「装飾は流転する 今と向きあう7つの方法」:山縣良和の圧勝

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明日11月18日からスタートする展覧会『装飾は流転する 今と向きあう7つの方法』(~2/25)の内覧会を観に、東京都庭園美術館に行きました。

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エレベーター改修のため半年ほどクローズしていたという庭園美術館の再開プログラムです。

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館内がかなりきれいになっていました。この「香水塔」の背後の壁もあんなに鮮やかな色ではなかったんじゃないかなあ。

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年齢も国籍もさまざまな7組のアーティストによる、「装飾」を切り口とした合同展。近年、コンテンポラリーアートからちょっと遠ざかっているお江戸なので、この中で知っているのはファッション畑の山縣良和さんだけです。

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でもそれで正解と言いましょうか・・・この展覧会、圧倒的に山縣フィーチャーなのです。圧倒的に目立っていました。

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獣性と神性を感じさせるもこもこふさふさした人型の作品とか、レースを使った地球儀とか、ニコラス・ローグ『赤い影』を思わせる子供用の真っ赤な衣装とか、人間サイズぐらいのもこもこ地球とか・・・

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いやー、山縣作品って、ファッションショーのランウェイよりも美術館が似合いますねー。これは前から思っていたのですが、やっぱりそうでした。

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そもそもほとんど服じゃないものが多いし。

主に布や身体装飾を題材にしたコンテンポラリー・アートととらえるべきだと思っています。

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しかも、ショーやランウェに置いたり写真になった場合には、妙に素人臭い陳腐さがにじみ出てしまうのですが、美術館のスタティックな展示になると、アラが見えなくなり、意図や素晴らしさがハッキリと出るのです。

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山縣はもっと「現代美術の人」ってことになっちゃった方がいいのになあと思います。まあ、でもファッションのフィールド内でこんなことやってるからこそ異端感が際立つってところはありますけどね。

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この山縣ワールドの攻め方、派手さに較べますと、他の6人は地味ですよねえ。「これ装飾って言えるんですかい?」ってな作品も含めて、インパクト薄いっす。ヴィム・デルヴォワのゴシック装飾の現代風アレンジメントはそれなりに素晴らしかったですけれど・・・。

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2017年11月16日 (木)

今年もボージョレー・ヌーヴォー

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毎年恒例の11月第3木曜日です。めでたいお初物です。たくさん飲むつもりもないので、小さな250ml瓶(680円+税)を買いました。一応「金賞受賞」ってことのようです。

今年もブドウが実って、ワインを作れましたっていうセレモニアルな飲料であります。いつもながらのジュース感が、ああボージョレーの新酒ですねって感じ。コスパが悪い分(そして金賞の分?)、濃い目でおいし目でしたけど。

それにしても昔と比べると、全然騒がれなくなりましたよねー、ボージョレー・ヌーヴォー。まあ、異常に騒ぎ過ぎだったので、ちょうどよくなったってところではないでしょうか。

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2017年11月15日 (水)

日本代表のブラジル戦とベルギー戦

サッカー日本代表の国外親善試合2連戦を、どちらも録画で観ました。2連敗ではありますが、まあ当然と言えば当然ですし、この時期の一番のテーマは勝敗ではないので、大江戸としては意味のある2連戦だったと思っています。

まずフランスで行われたvs.ブラジル戦は、彼我の大いなる差に悄然といった試合でしたが、それでいいんです。この時期に妙に調子よくAクラスのチームに勝っちゃったりすると、「勘違い」してロクなことはないんです。過去の例がそれを示しております。国民の期待ってやつも妙に上がっちゃって、優勝だとかベスト4だとかのたわごとが大勢を占めるようになるので、この時期は不安になるぐらいでちょうどいいのです。 実際、プレスのやり方を変えた後半は(いくら相手がペースダウンしたからと言っても)「本来こうあるべき」って感じで、悪くなかったです。

そしてベルギーで行われたvs.ベルギー戦では、守備の修正がしっかりハマってちゃんとしたサッカーができていました。いい試合になっていました。もちろん敵もコマ落ちだったわけですが、日本だって岡崎、本田、香川らがいないわけです。この3人が招集されなかったことが取りざたされてますけど、バッカじゃないの?と思います。現在の調子のままだと先発は外れるでしょうけれど、それでも23人には入っていい選手だと思いますよ。力の程が分かっているから、このタイミングでは外して、当落線上の選手たちを見定めているに決まっているじゃないですか(プラスこのベテランたちに危機感を与える効用)。でも、この人たちをベンチに置いとくとチームマネージメントが難しいと判断するなら、外す決断があっていいとも思います。要は直近のコンディション優先です、やっぱり。 いずれにせよ、1点の遠さ、チャンスを決めきれない精度の低さは相変わらずの課題ですねえ。「違いを生み出す選手」ってやつがいないんです、いつまでたっても。

まあ、でも個人もチームも調子の波ってもんがあるので、(これも過去の例からして)今の時期調子が悪い方が、W杯本番のタイミングで良い調子になるってもんです。「危機感が精いっぱいの力を出させる」面はありますし、日本のサッカーってそうやって初めて機能するってところがありますもんね(W杯出場を決めたオーストラリア戦みたいなもので)。

それにしても、日本って昔から南米チームが苦手で、ヨーロッパ・チームには結構善戦(あるいは勝っちゃったり)しますね。さて、来月決まるワールドカップの対戦相手は、どうなりますことやら。

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2017年11月14日 (火)

「おじいちゃん、死んじゃったって。」:ドイヒーな人々

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映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』は、アップデートされた『お葬式』(伊丹十三)って感じなのかと思いきや、うーん、レベルが違いますね。ちょっと、いや、かなり期待はずれでありました。だって、出て来る人物、出て来る人物みんなウザくて、共感も何もあったもんじゃありませんから。人間嫌いの人たちが作った映画なのかと思っちゃいましたよ。

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そもそも大江戸がこの映画を観ようと思った最大要因は岸井ゆきの。彼女は『友だちのパパが好き』『ピンクとグレー』あたりから好きなのですが、本作でもまずまず良い味を出してはいました。ところどころキャラに無理が出ておりましたが。 でも問題は、周囲の人々。「この愛すべきろくでもない家族」ってのではなく、単に「ろくでもない家族」なので、まいっちゃいます。ダメさに共感ができず、ひたすら重いのです。

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中でもひどいのが、岩松了演じる長男。暴君であり、卑小であり、邪悪であり、自分だけが正義であり・・・こういう人がそばにいたら、たまりませんね。

そんな人たちのエピソードが、単発的に、脈絡なしにつながっていきます。いや、つながらなくって、「巻の順番を間違えた??」かと思ったぐらいです。現在のデジタル上映では、そんなことあり得ないのですが・・・。

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なんか「それらしい」場面はあるのですが、「それらしい」だけで、一本の映画の中で有機的に生かされていないし、既視感だけあって重みがないのです。 これでは「家族とか親戚とかって、いやだね、面倒だね」という悲観にしか至りません。観ていて、イライラしてしまいました(この人々に対しても、この作品に対しても)。インドへのこだわりも、ほとんど謎ですし。

えらく喫煙度合いの高い映画で、誰かがしょっちゅうタバコを吸ってます。このご時世に珍しいですね。なぜなんでしょう? まさか、お線香の代わりじゃないですよね?

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2017年11月13日 (月)

「リミット・オブ・スリーピング ビューティー」:映像の魔術師

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映画『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング・ビューティー』は、あの怪作『MATSUMOTO TRIBE』の二宮健監督(25歳!)による、最高にクールでファンタスティックでイカした映像作品。前年とはうって変わって、今年の邦画は本当に不作で、これじゃベストワンに置ける作品が無い!と憂いていた大江戸にとって、干天の慈雨のごとき作品です。好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、大江戸はこういうの大好きなのです。

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まずもってパープルやオレンジやピンクを基調にした美しい映像が良いではありませんか。好きなトーン、好きなルックです。短めのカットとたたみかける編集も好きですね。

そして二宮監督がきっと映画ファンなのでしょう。数多くの先達へのオマージュ; アイズ・ワイド・シャット、ケン・ラッセル、鈴木清順、実相寺昭雄、キングスメン、灰とダイヤモンド、アンチポルノ(園子温)などという固有名詞が浮かんでは消えて行きます。

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とにかく主演の桜井ユキが輝いています。結構そこらにいそうな感じなのに目が離せないというか、平凡の中の非凡を体現しております。モデルっぽいというか、女優っぽくない匂いもありますが、純然たる女優さんのようです。もう30歳ってのも(若く見えるだけに)驚きですが、注目株には違いありません。 本作での彼女って、なぜか高橋一生にかなり似て見えることが多いんですよね。意図的なものではなさそうなだけに、不思議です。

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1時間29分、画面を観ていることがとにかく快感な映画でした。そして、途中からこの作品に恋をしたかのようにドキドキしていました。 完璧ではありません。正直なところ瑕疵はあります。でも、昨今のメジャー日本映画界でこういうの作ってくれる人っていないじゃないですか。遡れば、’60年代、’70年代にはいたわけですよ(清順さんとか、実相寺さんとか・・・)。だから今こんなことをやってくれている二宮健という才能を支持します。エールを送りたいと思うのです。大胆な色遣い、ぶっ飛びの奇想とエロス、破天荒なアクション、・・・うーん、やっぱり新時代の清順と呼びたい気がします。映像の魔術師なのです。

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2017年11月12日 (日)

「ゲット・アウト」:シャマラン風ではありますが

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映画『ゲット・アウト』は、予告編を見た限りではシャマラン風の「深い謎の秘密」をめぐる作品。で、実際その通りでした。有名とは言えない座組み(スタッフ&キャスト)でやってる、低予算のアイディア勝負の作品です。さすがにB級の匂いも漂っているのですが、粗雑だったり陳腐だったりはしていません。こういう作品もちゃんと公開されてるのって、良いことですね。

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ちょっと映画擦れした人なら「次はこうなるんだろうなあ」と思うであろう通りに展開します。そういった意味では、オーセンティックで非常に素直な映画です。そこがシャマランとは大いに違う点ですね。でも、得体の知れない不安な空気の醸成においては、シャマランと共通するものがあります。

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(以降少々ネタバレあり) 小出しにする謎は、まさにシャマラン流。あのアフリカ系女性や、あのアフリカ系男性や、あの深夜の疾走などの奇妙さはがまさにそうです。でも作品ところどころのトーンとしては、『ローズマリーの赤ちゃん』的だったり、『オーメン』的だったり、監禁ものホラー的だったりもします。写真を使った謎明かしなども、過去の映画の記憶を引き継ぐもので、この監督の映画ファンぶりがうかがい知れます。

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だから、ちょっと社会派風にも見えるんですけど、最終的にはいわゆる「社会派」なんかではさらさらなくって、あくまでも娯楽作です。良くも悪くも。割とすぐ忘れてしまいそうでもありますし。

最後に一言;笑いながら泣く女って・・・、竹中直人かよっ!

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2017年11月11日 (土)

「オトトキ」:「普通」と矛盾

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映画『オトトキ』は、ザ・イエロー・モンキーの復活を追った2016年から1年ちょっとのドキュメンタリー。50代に入ったイエモンを撮るのが、彼らより10年ほど年下の注目株・松永大司監督だけに、只ならぬ化学変化が起きるかもとも思ったのですが・・・。

意外と「普通の」音楽ドキュメンタリーでした。ツアーに密着して、オンステージとバックステージを撮り、ファンの人たちにインタビューして、バンドの足跡を追い、メンバーや関係者にもインタビューするという、ごく真っ当な作り。

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まあ、普通じゃないのはこの映画のために、無観客の渋谷のライブハウス(ラ・ママ)で行った演奏ぐらい。無観客なのに吉井和哉のMCまで入れて、そこらへんがとてもやりにくそうな感じで、観客に囲まれたライブの熱狂とは違う「冷えびえ感」が出ていて、うーん、何のためにこれやったの、松永監督?って感じでした(いくら彼らのバンド活動の原点と言える場所とはいえ)。

あとは、ツアー中に菊地兄弟の父親が亡くなったとかで、そのあたりのインタビューもやや長過ぎでしたねえ。映画のリズムが停滞してしまいました。

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(以降ネタバレあり) 映画のクライマックスになったのが、ニュー・イヤー・ライブで吉井の声が突然出なくなってしまったアクシデント。あまりのデスパレートな状況下におけるスタッフたちの「うわー、どうしようどうしよう」感があまりにもスリリングで、手に汗握る場面となっておりました。しかしここも最後が妙にうやむやで・・・。で、どうなったんですかい?って感じ。

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再結成ステージの1曲目を、メンバーの演奏は(シルエット程度にしか)写さず、ほとんどファンたちのリアクション描写で埋め尽くしたように、松永監督には、「普通の」音楽ドキュメンタリーを作る気持ちは無かったのでしょう(『オトトキ』ってタイトル自体、かなり妙です)。でも冒頭に記したように、音楽ドキュメンタリー映画としての構造は非常にオーソドックスです。その一方で、ファンにしてみれば「もっとライブをしっかり(普通に)見せてほしい」と思ったのではないでしょうか。映像作家の創意とアーティストのベクトルが合わなかったというか、いろんな矛盾を抱え込んだ作品になっておりました。

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2017年11月 9日 (木)

新宿はやしやの昭和プレートふたたび

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2年と3ヶ月ほど前にも紹介した新宿・三平ストア5階の洋食「はやしや」に、友人二人と先日行きました。

(以前の記事はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-a95d.html

Dsc_1994今回は夜だったので、生ビールを飲んだりしましたが、食べたのはやはり「昭和のプレート」。メニューを見て比較検討してみると、どうしてもそれになっちゃうんですよねえ。おトクですから。以前と変わらずハンバーグ、ポークソテー、サーモンムニエル、海老フライ、ライス、スープというラインナップ。前回はカレーを選んだので、今回はハヤシにしました。カレーには福神漬けがついてましたが、こちらはなぜか紅ショウガ! まあ、由緒正しき昭和の洋食って感じです。あるいは、「大人のお子様ランチ」とでも申せましょうか。味はそこそこってあたりも、ご愛嬌です。前回は1,100円だったのに、1,280円になってましたよ。

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店を出てちょっと脇を見やると、おお、いかにも飲食店の裏側って感じの廊下の前に何かがかかっています。

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わはは。西洋の甲冑を着けた騎士のレリーフでした! なんだこりゃ? かなりの珍品であります。なぜここに・・・? ♪うまーのマークのさーんこうしょ (古い)

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その逆サイドを見れば、謎の日本間が。ひえ~、なんかこわいっす。部屋の右側の壁にかかったすごいゴツゴツした装飾の(不動明王の炎みたいな)鏡、これもまた珍品です。まあ、宴会場なんでしょうね。

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そして左側の靴箱の上には・・・アートフラワー! 木彫りの熊(withサーモン)! インド象! なんだかわからない木! それと、時間の合ってない時計までありました。いやー、やってくれます。なんていうか・・・オールスター戦です。

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やはりこのビルは、新宿の魔界です。

1階におりると、はやしやの蝋細工メニューを収めたショーケースが出ていました。その中にあったのがこれ、「冷えたコカ・コーラあります」。冷えたコカ・コーラ・・・って。普通冷えてますよね。それとも、常温のコカ・コーラとかもあるんでしょうか?? まさかお燗にしたやつも??  あ、燗コーラね(お後がよろしいようで・・・)。

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2017年11月 8日 (水)

「彼女がその名を知らない鳥たち」:意外にヘヴィーじゃないけれど

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映画『彼女がその名を知らない鳥たち』は、あの『ユリゴコロ』の原作者=沼田まほかるのイヤミス作品を、あの白石和彌監督が映画化したという、観るとヘヴィーでまいっちゃうだろうなあって作品。でも思ったほどヘヴィーじゃなかったですし、逆にその分ちょっと期待値に届かなかったかも知れません。

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ミステリーの要素はありつつも、割と純正なミステリーにはしてません。まあ、広い世の中にはこんな人たちもいるんだろうねえという人間ドラマの要素が強いと思います。 (以降少々ネタバレあり) ミスリードしつつひっくり返すという展開も、まよくあるものです。だからやっぱり本作で描きたかったのは、人間というものの不可思議さなんでしょうけど、ちょっと薄味でしたねえ。ここは割り切って、もっとドロドロいかないと。

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今村昌平だったらしっかりドロドロと、お得意の「重喜劇」にしたてあげたんだろうなあ・・・。てなわけで、ラストもなんだか嘘っぽくて、のれませんでした。そもそも蒼井優&阿部サダヲの大阪弁がちょっと嘘っぽくて(こなれてなくて)、ってあたりも残念です。

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阿部さんは常に顔が汚くて、泥とかがついている感じで、お近づきになりたくない感じでしたねええ。この役、リアルに迫るのなら、芥川賞受賞者の西村賢太先生に演じてもらいたかったところです。

蒼井優はいつもの巧さに較べると、ここでは演技の設計がうまくいってないというか、迷いがある感じでした。クレイマーの嫌ったらしさ(毒)があまり出ていなかったのも困りものです。

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