2024年4月23日 (火)

U23日本代表の3試合を見て    #サッカーU23日本代表 #サッカー23歳以下日本代表 #田中聡 #絶対に負けられない戦い #松木玖生

サッカーU23日本代表のアジアカップ、グループリーグ3戦をテレビで見ておりました。

初戦、中国には1-0での勝利。西尾のレッドカードで、10人で戦う時間が長かっただけに、何とかかんとか守り切った試合。

2戦目、UAEには2-0での勝利。でも、もっと点取れたよねえって試合。

そして昨夜の3戦目は韓国に0-1で敗れて、結局グループリーグ2位での決勝トーナメントに進出となりました。攻めて攻めて決定機の山を築いて決め切れず、セットプレーから一発決められて敗れるという、典型的なアジアでの日本の負けパターン。

というわけで2位通過だったので、次の対戦相手は開催国のカタール。一方の韓国はインドネシアと当たるので、普通に考えれば残念無念です。まあしかし、勝負ってもんはやってみなければわかりません。いずれにせよ、パリ五輪出場を賭けた「絶対に負けられない戦い」ってやつが、これから始まるわけです。1~3位の三カ国がアジアからの出場となりますが、ノックアウトステージなので、次負けたら終わりなのです。

湘南ベルマーレの田中聡は、1、2戦と出番がなく、先発メンバー7人を入れ替えた韓国戦でボランチとして先発したものの、対人の強さとか鋭いスルーパスといった長所をあまり出せずに63分で交代。バックパスや消極的でスローなプレイも多く、アピールすることはできませんでした。残念。でも、パリメンバーから外れると、ベルマーレ的には助かるんですが…。

大江戸はこれまで松木玖生の生意気な感じが嫌いだったのですが、この3試合を見て、「えらいいじゃん。頑張ってるじゃん。さすがじゃん。」と思うに至りました。やはり二十歳でFC東京のキャプテンを担うだけあって、大したものです。そして、藤田譲瑠チマの落ち着いた展開力とキャプテンシーも大したものです。この二人や、GK小久保玲央ブライアン、FW藤尾翔太、佐藤恵允らは、日本代表にとって将来への希望です。

何にしても、準々決勝のカタール戦は、(きれいじゃなくていいから)なりふりかまわず勝ってください!

 

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2024年4月22日 (月)

ドラマ版「舟を編む」の素晴らしさ    #舟を編む #ドラマ版舟を編む #お仕事ドラマ #柴田恭兵 

NHKの朝ドラ『虎に翼』、世評も非常に高いように見受けますが、確かに面白いですよね。朝ドラ定番の1〜2週間の子供時代がなかったことで、スタートダッシュが効いたように思えます。

前クールの『ブギウギ』もよくできた伝記ものでしたし、趣里の個性や歌唱力も素晴らしかったのですが、今回のはその上を行きそうな序盤であります。寅子がしばしば発する「はて?」は流行語大賞ノミネート確実でしょうし(「月のもの」もか?)。

そしてNHKといえば、BSで昨日最終回だった『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』がサイコーでした! 三浦しをんの原作小説がとにかく素晴らしいし、松田龍平、宮崎あおい主演の映画版も素晴らしいのですが、このドラマは設定を現代にアップデートし(世の中はここ十年ぐらいで、えらく変わったのですね)、池田エライザ演じる岸部みどりさんを主役に据える(まあ、群像劇ですが)など、原作を離れて大きく改変してあるのですが、それが成功しています。脚本の蛭田直美さん、いい仕事をしました。

しばらく前に某ドラマにおける原作からの改変が問題になったのとは違って、本作の改変には原作へのリスペクトがあり、原作の精神の芯をしっかり捉えた翻案でしたからね。むしろ社会の中のいろんな常識や人々の考え方が変わっている今に合わせてこのように改変しないと、なんか古めかしくピンと来ないものになっていたかも知れません。世の中って、ここ十年かそこらで大きく変わったんですねえ。ジェンダーの問題や多様性の捉え方についても、仕事の仕方やについても、恋愛についても…。

原作からの名言に加えて、オリジナルの名言もたくさんありました。そして、毎回感動する場面がありましたよ。大江戸が好きな「お仕事ドラマ」として秀逸であり、さらにはみどりの成長物語としての側面も。

池田エライザも、野田洋次郎も適役でしたが、何と言っても柴田恭兵! いい感じに枯れて、ますます細くなって、メガネが似合って、知性と慈愛に溢れて、すっごく素敵でした。ああいう人に、私はなりたい。これまで見た柴田恭兵の中で、断然ベストです。『あぶ刑事』なんか、目じゃないっす。今後の彼が楽しみになってきました。

昨年の『ミワさんなりすます』も含めて、やっぱり大人の鑑賞に耐える良質ドラマは、NHKなんですよねー。

大江戸は言葉好きってこともあり、辞書作りみたいな仕事、結構性に合ってると思うのです。まあ、来世で(来世の存在なんか信じてないんですけど)。 そして、辞書作りや、その他出版に関わっている方々に敬意を表したいと思います。

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2024年4月21日 (日)

「ビニールハウス」:半地下の方が全然マシ    #ビニールハウス #半地下はまだマシ #イソルヒ #キムソヒョン 

1_20240421213301 韓国映画『ビニールハウス』のキャッチコピーは「半地下はまだマシ」。なかなかですね。

1994年生まれのイ・ソルヒが、脚本・監督・編集を担当した初の長編作品。社会派サスペンスとして、まずまずの出来ではないでしょうか。

暗鬱でフラストレーションがたまるようなトーンで、終始展開します。

貧富格差の問題、認知症問題をはじめ、現代社会を照射させながら、本質的には面白い映画を作ろうとしているのだと思います。暗いけど、重いけど、面白い映画。ただ、その切れ味は今一つ。一つ一つのエピソードに既視感があり、斬新な驚きとは程遠い展開。しかも、かなり無理がある事が多く、「いくら映画だとは言え、それはないでしょう」と、ツッコミたくなる場面もいくつかありました。

それでも何とかなっているのは、一つには主演のキム・ソヒョンの好演。薄幸感が漂って、何とも印象的です。 もう一つは盲目の老人役のヤン・ジュソンのリアルな味わい。こういうジェントルマン、いそうですよねえ。この二人の味が、ちょっと無理な物語に一応の説得力をもたらしているのです。

ただ、その語り口にしても、ラストの切り落とし方にしても、今一つ。もっと鮮やかに語れる題材のはずなのに、雑なホラーみたいにさえなっちゃってます。『パラサイト 半地下の家族』の方が、ぜんぜんマシです。そこは、この監督の今後の課題でしょうねえ。

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2024年4月20日 (土)

湘南、最後の最後で神戸に敗れる    #湘南ベルマーレ #ベルマーレ #湘南対神戸 #湘南神戸 #植木繁晴 #石井久嗣 #高橋直也 #馬渡洋樹 

Dsc_1197_copy_1024x721 レモンガススタジアムでの湘南ベルマーレ対ヴィッセル神戸を現地観戦。快晴で暑くも寒くもない絶好の天候の中、15時のキックオフ。

Dsc_1198_copy_991x721 先日逝去した植木繁晴元監督の追悼コーナーがスタジアム外に設置され、サポ席には「アジアの王者 植木さん ありがとう」の横断幕も。1995年に監督代行としてベルマーレ平塚を第6回アジア・カップウィナーズカップ選手権優勝に導いた方ですからね。 試合前には、黙祷も行われました。湘南の選手たちは前節に続いて、喪章を撒いてのプレイです。

Dsc01512 今日の湘南は久々にメンバーをかなりいじって来ました。ソン・ボムグンはレッド明けでベンチ入りしましたが、GKは馬渡洋樹。阿部浩之は久々の先発。今季初先発の石井久継や高橋直也にも期待がかかります。

Dsc_1200_copy_1002x721 前半は拮抗した戦いで、0-0。互いにチャンスはありましたが、最後で決めきれません。シュート数は神戸の方が多かったのですが、内容的には互角と言って良かったでしょう。

Dsc01514 そして後半に入って、選手を交代させてからもそんな状態が続きます。いや、むしろベルマーレのチャンスの方が増えていきます。あと一歩なのですが…。

Dsc01518 そのままスコアレスドローかと思われた3分間のアディショナルタイムも終わろうかという時、サッカーでは時々ある悲劇が起こり、湘南は0-1で敗れました。失点直後に取ったコーナーキックでは、キーパー馬渡まで上がったものの、奇跡は起きませんでした。

Dsc01518_20240420225401 うーーん、悔しいですね。あと2〜30秒持ちこたえたら、神戸相手に勝ち点1が取れたのに。自分的に、こんなに負の感情があふれた負け方は久々のことです。

言いたかないけど、田中聡がU23代表に行ってなければ、前節マリノス戦も今日も勝てたんじゃないかという試合。はい、タラレバです。

Dsc01515 でも馬渡はナイスセーブがあったし(ミスもあったけど)、高橋直也は推進力があって良かったし、久継も悪くありませんでした。鈴木章人も含めて、これからの主力に期待が持てました。ただ、高橋直也の最後の最後での「迷い」が失点につながってしまったことは、返す返すも残念でした。これを糧に、大きく成長してください。

そして、いつもながら山口監督の「引っ張り癖」がねえ…。鈴木章人の投入が遅すぎました。他にも山口采配に関しては、「なぜいつも畑・茨田・池田なの?」(杉岡をはじめ、交代で出た選手の方が全然良かった)など、不満はいろいろあります。 でも、次こそ勝ちましょうよ。ね! (写真下から、馬渡、高橋、石井)

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2024年4月19日 (金)

池袋WE ROAD(ウイロード)がキレイ    #ウイロード #WEROAD #池袋ウイロード #植田志保 #雑司ヶ谷隧道 #豊島区えらい

Dsc_1177_copy_768x576 池袋界隈の人には「何を今更」と思われてしまう話題。だって知らなかったんだもーん。

Dsc_1180_copy_768x613 JR池袋駅北側の東西を結ぶ地下通路「雑司ヶ谷隧道」をかなり久方ぶりに通ったら、キレイに改修されて…というか、まったくの別物に生まれ変わっておりました。その北側の先のスロープや公衆トイレも含めて、あっぱれな公共アートになっていたのです。

Dsc_1178_copy_768x550 明るいトーンの色彩が混ざり合った抽象絵画。暗い地下道というイメージを一気にひっくり返す素敵な試みです。

Dsc_1179_copy_768x544 場所柄、防犯カメラも据え付けてあるのですが、それもこのようにカラフルな壁と一体化。

Dsc_1181_copy_768x513 季節を問わないし、老若男女を問わず受け入れられやすい素直に美しい色彩です。明るく、楽しく、気分が良い。

Dsc_1174_copy_768x465 それって、パブリックアートとしては最高じゃないですか。お役所(豊島区)としても、あーだこーだ文句言われることが少なくて済むでしょうし。実際、目の前で実物を見ると、写真以上にキレイで、感情に訴える色彩です。

Dsc_1176_copy_1600x1200_20240419233901 パネルが貼ってあったので、読んでみたら、大正14(1925)年に建設された雑司ヶ谷隧道が、昭和61(1986)年の改修時に「WE ROAD(ウイロード)」という愛称をつけてもらったんだそうです(WESTとEASTを結ぶ、私たちの道ってことで)。ってことは、来年100周年なんだ! 

Dsc_1175_copy_768x464 そして、近年の改修で植田志保さんというアーティストが壁面などに直接描いて、完成したのが2019年。

Dsc_1185_copy_768x540 でも、その後もエリアを広げていったのでしょうね。地上へのスロープの壁面とか、金属のガードとかもカラフルです。

Dsc_1182_copy_768x522 毎日ここを通っていたら、心が洗われそうですね。ポジティブで楽しい思考回路になりそうです。

Dsc_1186_copy_768x576 朝と夜とで照明のトーンを変えたりもしているのだそうです。やりますね、豊島区。

 

 

Dsc_1184_copy_768x550 でもそれだけで驚いてちゃいけません。この上にあるトイレが凄いんです!

Dsc_1166_copy_768x576 まさにアートなトイレなのです。

Dsc_1170_copy_768x576 中もアート(男子用しか入ってないけど)。

Dsc_1171_copy_768x550 本当に気持ちの良い空間になっていました。色彩のおかげなんです。

Dsc_1169_copy_768x1024 上を見ても、カラフル、ビューティフル、ワンダフル。

Dsc_1168_copy_768x1024 ガラスを通した光で見ると、この色がまた幻想的で、格別です。

Dsc_1172_copy_768x588 外の植え込みもお見事です。いやいや、感服いたしました。公共の施策として、最上級の例ではないでしょうか? 犯罪率や精神を病む人の数さえ減るのでは?と思っちゃうぐらいです。

Dsc_1167_copy_737x1024 新宿の東西を結ぶあの古ーい地下道も、同じようにやればいいのにね。

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2024年4月18日 (木)

ベレーザ、ノジマステラに逆転勝ち    #日テレベレーザ #ベレーザ #beleza #ベレーザ対ノジマステラ #柏村菜那 #北村菜々美

Dsc01498 なぜか平日午後5時のキックオフ。WEリーグ第15節の日テレ東京ヴェルディベレーザ対ノジマステラ神奈川相模原を、味の素フィールド西が丘で観戦。当然仕事なので、代休の半分を取得して、駆けつけました。 それにしても、なんで5時? 他会場は6時か7時なんですけどね。

Dsc_1200_copy_1024x684 客席は異様におじさん率高し。まあ、いつも高いんですけど(女子サッカーの中心観客がおじさん問題)、いつも以上に高かったです。見渡す限りのおじさん! ご家族率が低かったってことなんですけどね。こんな日こそ、学校単位で放課後に招待すればいいのに。

Dsc01502 3連勝の後に前節の神戸戦でスコアレスドローだった4位ベレーザ。3位新潟との差を詰め、ひっくり返すためにも、できるだけ点差をつけての勝利が欲しいところです。そして、前の試合から中3日。次の試合まで中2日というハード・スケジュールなのです。

Dsc01506 でも現在ダントツ最下位のノジマステラが相手なので、先発メンバーもいじりやすかったし・・・などと思っていたら、37分にノジマステラに先制されて、その後もなかなか得点に至りません。でも74分のオウンゴールで1-1にしたところで、流れが変わりました。

Dsc01504 80分に藤野あおばの見事なミドルシュート、84分に山本柚月のカットインからのドライブシュートが決まって、終わってみれば3-1の逆転勝利。6試合負けなしとなりました。

Dsc01509 後半からは小雨が降った試合。カッパを着ても、ちょっと肌寒かったですね。観客は結局565人と低調。うーん、何のためだったんだろう、この平日開催。

Dsc_1196_copy_1024x639 ノジマステラのサポーター席なんか、15人ぐらいしかいなくて、ちょっとしんどそうでしたね(それ言ったら、ベレーザも前節・アウェイ神戸戦で、DAZNで見る限り5-6人しかサポーターがいない感じでしたが・・・)。

Dsc01495 今日は岩清水さんが先発だったり、松田紫乃が久々に出場したりしました。そして4月15日に二十歳を迎えたばかりの柏村菜那(24番)が右ウイングバックで、久しぶりの先発出場。しかし試合勘が鈍ったのか、ミスが目立ちました。そして、前半で退きました。まあ、まだこれからの選手ですが、攻撃の積極性は素敵です。

Dsc01492 北村菜々美選手は、前節から(ピンクに替えて)オレンジ色のシューズになっております。連戦のためか、どこか痛い所があるのか、いつも以上に省エネでプレイしているように見えました(86分で樋渡に交代)。でも、いつもながらの「北村にしか出せない」パスを時々見せてくれて、こちらはそのたびに「おお!」と感嘆しておりました。ここ数試合は、ポジションが下がってウイングバックでのプレイなので、あまり前の方の仕事に関わっていないのがもったいないです(後半は結構高めのポジションを取っていましたが)。そして、ここ数試合はパスを出すときにフェイント気味に時間をかけて、最善のタイミングを待って出すプレイが目につきます。これがもっと味方と合ったら、無敵になりそうなんですけどね。そんなところも含めて、進化途上の北村さんとベレーザであります。Dsc01497

 

 

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2024年4月17日 (水)

「フォロウィング」(1998年):才気あふれるデビュー作    #フォロウィング #クリストファーノーラン #オッペンハイマー #栴檀は双葉より芳し

Following 映画『フォロウィング』(1998年)は、クリストファー・ノーランのデビュー作。全編モノクロ、スタンダード・サイズ、70分と、コンパクトな作品です。本国公開25周年を記念して、HDレストア版での再公開と相成りました。でも、むしろ『オッペンハイマー』の公開に合わせたって感じじゃないでしょうか。大江戸は初見です。公開されたことさえ覚えておりません。

映画のルックとしては、1960年代のイギリス映画のようです。ただ、往年のハリウッド女優みたいな人が出て来る場面になると、むしろ1950年代のアメリカ映画みたいに見えますね。いずれにしても、とても1998年の作品には見えないってこと。あ、ちなみに低予算ってこともあり、撮影もクリストファー・ノーランが担当しています(脚本・監督・編集・製作も)。そのせいもあり、こだわりのノワール画調です。

で、何と言っても時制の交錯! 「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」ですね。「まさにノーラン」といった才気あふれるデビュー作なのです(この後に『メメント』『インソムニア』と続きます)。 

(以降少々ネタバレあり) 先が読めない展開ののちに、(あまりにもさりげなく)あっと驚く場面が現れ、最後には「なるほどねー。そう来ましたかー。」って感じ。いやいや、見事なもんです。才気です。

そして、「映画って70分で十分なんじゃないの?」って気もしましたね。まあ、アイディア勝負の作品は、それぐらいがちょうどいいんですよ。『オッペンハイマー』は180分ありますけどね。

 

 

 

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2024年4月16日 (火)

「毒娘」:ちーちゃんは愛嬌がある    #毒娘 #内藤瑛亮 #押見修造 #ちーちゃん #竹財輝之助 #伊礼姫奈

1-2_20240416205201 映画『毒娘』は、内藤瑛亮の脚本・監督作品ですが、毒娘こと「ちーちゃん」のキャラクターデザインを押見修造(『惡の華』などのマンガ家)がやってるってところが珍しいですね。この二人、親交があるのだそうです。

いかにも内藤英亮的という感じのパンクな毒気にあふれた作品。好きにはなりにくいけど、嫌いにもなれないんですよね、この人。そして本作でも彼のトレードマークとも言える「赤」が画面を満たしていました。『パズル』のエンディングの赤とともに、記憶に残る赤です。

やはり「ちーちゃん」のキャラクターがいいのです。子役時代の宮崎あおいにも似た顔でありながら、狂暴で粗野で、でも不思議な愛嬌があるのです。(以降少々ネタバレあり) この家に住む女の子が、ちーちゃんに共鳴し、同化していくのにも納得できます。

そんなわけで、絶対的な父権とか有害な男らしさに反旗を翻す「シスターフッド」の物語だったのでした。内藤監督、自分の世界を構築しながらも、ちゃんと時代性を捉えていていいですね。

竹財輝之助演じる父親が、まあ絶妙に嫌な感じ。外見や表面上の言動は思いやりのある優しい人なのに、その実は…っていうモラハラ男のニュアンスを、見事に演じました。役者って、こういうイメージダウン必至な役柄も説得力を持って演じなければならないわけですから、大変ですよね。あと、佐津川愛美は、妙に普通でした。

この作品の前日譚として、押見修造が『ちーちゃん』というマンガを連載し始めたそうです。なので、『ちーちゃん 毒娘2』製作希望です!

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2024年4月15日 (月)

「ソウルフル・ワールド」:君たちはどう生きるか    #ソウルフルワールド #ディズニーピクサー #人生哲学アニメ 

1-1_20240415220301 思い起こせば2020年。コロナ禍下で、ディズニーが新作の劇場公開を取りやめ、配信オンリー政策を取ったのです。その中で、当初は劇場公開予定で、大江戸も映画館で予告編を見ていた作品が『私ときどきレッサーパンダ『あの夏のルカ』『ソウルフル・ワールド』の3本。特に小生は『ソウルフル・ワールド』の予告編を見て、「これは今年のマイ・トップテンに入るかも」と思っていたのに、配信のみとなりがっかりなのでありました。そういうことなので、配信嫌いとしては、これまで未見。それがこの春、この3作をようやく劇場公開してくれるという、罪滅ぼし企画(あるいは利潤の追求?)のおかげで、やっと『ソウルフル・ワールド』を観ることができました。この3作、晴れて『キネマ旬報』ベストテンの対象になるわけですよね?

で、期待は裏切られませんでした。ディズニー&ピクサーの合作なのですが、やはり高打率。すべてにわたってレベルが高いし、大人の鑑賞に堪え得るし。しっかり感動させてくれます。いつも通り、脚本の練られ方がハンパないのです。

(以降少々ネタバレあり) もっとジャズ寄りの音楽ワールド映画かと思っていたら、さにあらず。人生や「生きる意味」を哲学的に考察する作品なのでした。中盤など、哲学的探究がちょっとしつこ過ぎる気もしましたが、最後にはいい感じにまとめてくれます。こっちの方が宮崎作品よりもずっと「君たちはどう生きるか」ですね。

でもジャズ関連の件りも素晴らしいレベルの出来。音も良かった。『BLUE GIANT』との2本立てがおススメと思ったりもしましたよ。ニューヨークの描き方も見事ですしね。メンズスーツってもののカッコ良さも、しっかり見せてくれました。

絵的にも、リアルなニューヨーク&ジャズ界と、ファンタスティックな霊界?の描き分けがグッドです。そして、ジェリーやテリーといった線画というか一筆書きみたいなキャラクターがユニークで最高でした。3DCGの中のシンプルな線キャラ、いいですよねー(テリーはエンドロール終了後にも出番があります♪)。

あ、ちなみに本作の原題はシンプルに、“Soul”です。 

 

併映短編は『夢見るウサギ』。シンプルでほっこりとした二次元アニメでした。

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2024年4月14日 (日)

「パスト ライブス /再会」:「椿三十郎」を連想    #パストライブス #パストライブス再会 #A24 #椿三十郎 

1_20240414230501 映画『パスト ライブス/ 再会」は、アカデミー作品賞&脚本賞にもノミネートされたA24作品。人生の酸いも甘いも知った大人のためのラブストーリーです。A24がしばしば取り上げる「アジア人もの」です。

極めて単純な話を、繊細に語ります。表面の言葉の裏に渦巻くお互いの複雑な思い、そのニュアンスをしっかりと伝えてくれます。多くの人が自分自身の経験と結びつけて観てしまうであろう、そんな映画です。

(どうでもいい人たちは別として)主たる登場人物は3人だけ=韓国系俳優二人と、ケリー・ライカート作品でおなじみのジョン・マガロ。この人たちの表情と、体全体の演技で、しっかり伝えたいことを伝えます。そして、台詞なしで伝える要素も多いのです。なので、まなざしの映画でもあります。目は口ほどにものを言う。

(以降少々ネタバレあり) ラストが素晴らしいですね。映画史に残っていくのではないでしょうか。特に二人が無言のまま見つめ合って・・・というシーンの長い緊張感には、黒澤明『椿三十郎』のラストを思い出しました。本当に監督さん(セリーヌ・ソン)が『椿三十郎』を意識したんじゃないかと問うてみたい大江戸です(両作品を観た人なら、わかってくれるんじゃないかなあ)。

 

 

 

 

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«「プリシラ」:夢見る少女じゃいられない    #プリシラ #エルヴィスプレスリー #ソフィアコッポラ #ケイリースピーニー