2017年5月29日 (月)

「台北ストーリー」:’80年代の時代感

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映画『台北ストーリー』は、故エドワード・ヤン監督の1985年作品(映画祭以外では、日本初公開)。当時の台北を舞台にしたモダーンな、そしてエドワード・ヤンらしい都市型の作品です。

とにかく’80年代中頃の時代感がスゴイです。スーツやメイクや髪型や大型ウェリントン(アラレちゃん風)メガネ・・・などなど。東京と台北の風俗に大きな差はありません。人々は家の中でも、車の中でも、普通にタバコを吸ってます。

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街や時代を映像として焼き付けながら、結局は人間の暮らし、人間の生き方を描くことが主眼。この時代の人って、こんな風に生きていたんだねという貴重な資料になるであろうフィルムです(デジタル4K修復版だけど)。

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主役の女性は後にエドワード・ヤンと結婚(&離婚)した人(ツァイ・チン)。男性はなんとホウ・シャオシェンです。この若きホウ・シャオシェンが「丸顔のくせにニヒル」って感じのやつで、途中から村上春樹に見えてしょうがありませんでした。この男女が、村上作品の男女っぽいんですよね、言動というよりは雰囲気が。男がやけにケンカっ早いところは、いただけませんが。でも、やはり都会派です。

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終盤の夜の街をバイク群が疾走する場面は、『フェリーニのローマ』そっくり。でも短めだったので、もっと長く観ていたかったです。

(以降ネタバレあり) 最終盤でホウ・シャオシェンに起こる出来事は、なんだか『太陽にほえろ』のマカロニ刑事の最期みたいでした。腹を刺されても最初気がつかないところとか、血まみれの手でタバコを吸うところとか・・・。エドワード。ヤンは、ひょっとしてあれを見ていたのではないかなあ?

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2017年5月28日 (日)

U-20日本代表、決勝トーナメントへ!

サッカーU-20ワールドカップ韓国大会の日本の2戦目、3戦目ともBSフジでTV観戦しました。

2戦目のウルグアイ戦は、とにかくエースFW小川のケガ(しかも自分で着地した際にひねっちゃったもの)による途中交代と離脱が痛かったです。しかし、前半はウルグアイの強さを感じていましたし先制されたわけですが、その後持ち直して迎えた後半では縦パスも通り、好機を数多く作り出して、「さあ、いつ点が入るか」という時間帯が続きました。なので、あと一歩で、勝ち点1は取れる展開だったのです。小川に代わって想定外に早くから投入された久保建英が、しっかり輝きを見せておりましたから。 ウルグアイにアディショナルタイムに加点されて、0-2の敗戦は悔しい限りでした。それこそ「小川が残っていたら、勝てたのに」というタラレバを言いたくもなるような・・・。

そして3戦目のイタリア戦では、前半7分までに2失点。この時点で「ダメだ」と思ってしまった大江戸でしたが、その後の日本の戦い方とイタリアの不器用さを見ていて、「行ける!」と思い直しました。案の定、堂安の2ゴールの活躍で2-2に追いついたのが50分。この展開なら確実に3点目を取れる!さあどこで久保建英を投入するか?と思っていたら、そのまま時間が流れ、終盤には「まあ、両チームとも決勝トーナメントに進めるから、いいやね」って感じに、イタリアが自陣前でボール回しを続け、日本は取りに行かないという退屈な時間が流れました。まあ、この状況ではしょうがないところ。昔からよくあることです(でも本当は3点目を狙いに行ってもらいたかったけど)。

堂安の2点目はゴール前で4人のディフェンダーを引き連れてのドリブルからのゴール。まるでメッシを見る思いでした。スゲーです。 ベルマーレの杉岡大暉は左サイドバック先発で、今大会初出場。湘南ではセンターバックなのですが、それでもオーバーラップと攻撃参加が持ち味なので、違和感なし。落ち着いたプレーで合格点だったと思いますが、後半などもう少し「危険なプレイ」を積極的に出してもらいたかったかな。イエローカードは余計でした。

さてさて決勝トーナメント初戦は、30日夕方の対ベネズエラ。残念ながら仕事の関係でナマでは見られないのですが、この世代の日本チームって常に1試合ごとに成長していくので、大丈夫です。勝ち進んで、できるだけ多く試合しましょう!

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2017年5月27日 (土)

湘南、アディショナルタイム弾で悔しい敗戦

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午後4時キックオフだというのに、すんごいピーカンで日光が痛いほどのBMWスタジアムで、湘南vs.山形を観戦。しまった、そういえば7ゲートって昼間~夕方の試合だと、すっごく暑くてまぶしいんでした。今日も終始サングラスをかけて観戦しました。5時半まで厳しい日差しと暑さでしたからね。いや、ビールのうまかったこと!

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メインスタンドの後方には霊峰富士が威容を現しておりました。

試合は0-0のまま終了かと思われた90+2分、山形にゴールを奪われて悔しい悔しい敗戦となりました。選手個々のクォリティとか、決定機とか、明らかに湘南の方が上でしたが、なかなかゴールをこじ開ける力がありませんでした。

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モンテディオにしてみれば、ゲームプラン通りだったことでしょう。引いて守って、逆襲狙い。でも、ベルマーレの場合、それをされるとめっぽう弱いのです。シュートに持ち込めなくなってしまうし、最終盤でカウンターやセットプレーに沈んでしまうことが多いのです。簡単にはめられてしまうし、その攻略法をずーっと見出せずにいるのです。困ったもんです。

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GK秋元は素晴らしい仕事で2点を止めたと思っておりますが、さすがに3度めは無理でした。 ベルマーレは、「この調子なら、そのうち点は入る」という攻撃をしながら、決められるチャンスにきっちり決めとかないから、こうなっちゃうんですよね。サッカーあるあるの見本みたいな敗戦ですね。あー、情けなくも悔しく、そして腹立たしいです。

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バックスタンド方面からだとよく見えるのですが、今日もベルマーレクイーン5名様は、メインスタンド下でぴょんぴょん跳ねながらずっと応援してました。

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そしてハーフタイムには、産能大学の「産能クイーン」たちと一緒に、スタンドにサインボールを投げ入れておりました。

いずれにしても、こういう試合で(勝ち点3を取れないなら)勝ち点1でもしっかり取って行かないと、昇格なんてできません。そこらへん、勝ち点1の重み、得点1の重みをしっかり認識して、その意識を共有して、同じ過ちを繰り返さないでもらいたいと切に願います。

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2017年5月26日 (金)

「STOP」:原発/放射能にキム・ギドクが挑む怪作

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映画『STOP』は、キム・ギドクが単身日本に来て、監督・脚本・撮影・録音・編集、そして(合同で)配給までもを行った、「自主映画」と言ってよさそうな執念の作品。確かに見たことのない役者さんたちと、オール・ゲリラ・ロケだろうなーって感じの撮影が、いかにも自主映画っぽいのです。いかにもお金かかってなさそうですし。

新宿や代々木の見慣れたそこかしこが「東京映画」と言っていいほど映像に刻まれる一方で、小生が知らない福島もリアルな感じです。

で、30分ほどたったところで、映画はキム・ギドクらしく狂ってきます。トゥー・マッチになっていきます。奥さんをガムテープでぐるぐる巻きの拘束したり、「オレ福島に行って、動物たちが元気に暮らしてる写真を撮って来る。そしたら大丈夫ってわかるだろ。」って、・・・ギャグですか? とにかくこの夫のダメダメな言動が、無知で無知性で無責任で、観ていて笑っちゃったり腹立たしかったりで、もう大変です。もしかして、この映画のテーマって「男はバカ」なのかしらん?とさえ思っちゃいました。 福島の廃屋の中には、あまりにもキム・ギドク的な狂女?が登場するのですが、彼女とのからみにおいても、この夫は無能でバカみたいで、まいっちゃいました。

しかも夫はあまりにもしょっちゅう福島まで行ったり来たりするし(交通費だってかかるのに)、彼が後に意気投合する男が福島の動物(豚?)の汚染されているかも知れない肉をさばいて、新宿・想いで横丁の店に売るエピソードだって、福島往復して包み3つばかり売ったって、赤字だろ?とか、もうツッコミ所満載ではありますが、キム・ギドクはそんなこと気にしないのであります。 終盤、夫の暴走は止まるところを知らずに突き進むのですが、それって妄想だったの??とも取れるように描写するあたりが、これまたギドク流であります。

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それにしても怪作ではあります。でも、これまでもギドク作品で大なり小なり怪作でなかったことなんてありゃしません。監督が悩みながらも勇気を持って、(日本の映画作家たちが手をこまねいている)この領域=原発の問題 にアタックしてくれたことを、我々は感謝しなければならないと思います。

ラストシーンの後、溶暗してタイトルロールが始まる所で、あの「♪リンロン リンロン・・・」という不気味な地震速報の警報音が鳴り渡ります。我々に、「忘れてはいけない」と諭すようでもありました。

終映後にキャストや宣伝担当者の舞台挨拶がありました。非常に小規模な公開(新宿K'sシネマは2週間限定で上映回数も日に1-2回。本日が最終日)でしたが、今日の客席はほぼ満席。今後、名古屋や横浜での公開が続くそうです。

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2017年5月25日 (木)

「ひよっこ」のメガネの澄子、最高!

NHK朝ドラ『ひよっこ』に青天目(なばため)澄子役で出演中の松本穂香さん、いいですねー。って言うより、むしろ「澄子いいですねー!!」と毎日思っております。

もう、上京シーンで最初に登場した時から、どストライクでした! おかっぱ頭に丸メガネで、ぼーっとしてて、のん(能年玲奈)にもちょっと似ていて・・・。近年見たメガネっ子としては、『掟上今日子の備忘録』の新垣結衣に勝るとも劣らない逸材です。

で、乙女寮に入ってからは最高ですね。ふにゃ~っとしていて、眠るのと食べるのが大好きで、とにかく不思議ちゃん。でも笑うと、とってもかわいいし、とにかくメガネが似合うし。もう大江戸的には、無条件降伏です。いつもは地味なのに、一番派手セクシーな水着を買ったあたりの「わけわかんなさ」もまたヘンテコな魅力になっております。 そうだ!タイプ的には、セイントフォー(!)のメガネの祐三子ちゃんですね(?)。ヘンテコリンで独特で、生き物として面白い感じ。

これから先、澄子にはまだまだ活躍の機会があるでしょうから、楽しみです。松本穂香さんにも、(今後のためにもまず)この千載一遇の役を極めていただきたいと思います。実際、コメディエンヌのセンスがありますもんね。できれば次もメガネっ子役で!

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2017年5月24日 (水)

セブンの激旨カフェラテ

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しばらく前から(少なくとも小生がよく利用する店では)販売しておりますセブンイレブンの「(ホット)カフェラテ」。調べてみたら、今年の2月から順次発売しているそうですね。 アイスのカフェラテはありましたが、ホットはローソンやファミマにはあるのにセブンには無かっただけに、満を持しての登場と言えそうです。レギュラーサイズ150円です。

で、えらく気に入って、毎日のように(と言っては少しだけ大げさですが、かなりの頻度で)飲んでおります。

だって、おいしいんだもーーん。 いやあ、実にミルキーで、コーヒーのコク、適度な苦み、香ばしさ、スティームドミルクのまろやかな味わい、それらが混然一体となって醸し出す豊かな風味がたまりません。砂糖は入れませんが、自然な甘みが感じられて、玄妙なまでにおいしいのです。

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正直、セブンのホットコーヒーに関してはそれほど評価していない大江戸ですが、ラテの方は最高です。スタバのラテよりもおいしいと、マジで思ってます。もちろんローソンやファミマには、楽々勝ってます。 でも抽出時間が長いので、待ってる間ヒマなのが玉に瑕です。

飲むべし。

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2017年5月23日 (火)

「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー <永遠の3秒>」:びっくりすること多し

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映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー <永遠の3秒>』は、あの『パリ市庁舎前のキス』で知られるフランスの写真家ですが、この映画を観てびっくり。なんと、あの写真は劇団員の男女を使って撮った、いわば「やらせ」だったんですね。だとしても、そんなの関係ないと小生は思います。まあそのあたりは常に論争になる所ですが、大江戸は写真芸術における「演出」ってものには寛容なのです。

それはそうと、この写真って1980年代にポスターとして発売されるまでは、特に有名な作品ではなかったってことにびっくり。しかも『LIFE』誌に初めて載った時は、「その他大勢」扱いの小さな写真だったことにもびっくりです。

さらには、不勉強にしてこれまで知らなかったのですが、’68年頃にアメリカで撮られたカラーの写真集の存在にもびっくり。なんかモノクロ以外のドアノーって、別人の写真のような気がしてしまいます。

この監督さん(クレモンティ359478_001ーヌ・ドルディル)って、ドアノーの孫娘なんですね。だから家族のあれこれが多く扱われているってことかあ。

終盤に「日本パート」があって、びっくり。ドアノー作品のコレクターだとか、福島のドアノー展だとか、ドアノー写真の商業利用についてだとか・・・。商業利用について語っていた佐藤正子さんは、昔お仕事で関わったことのある方だったので、出て来た時にびっくりしました。「(ドアノーの写真を)下着に使いたい」ってオファーまであったそうで、その事実にもびっくりでした。

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2017年5月22日 (月)

「美女と野獣」:エマにはシンデレラを・・・

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映画『美女と野獣』は’91年のディズニー・アニメの実写化。アニメ版にかなり忠実な映画化ではないでしょうか。ただ、違っているのはアフリカ系の人たちが多く登場し、ゲイを示唆する描写もあるというあたり。ダイバーシティの時代にふさわしい小変化です(アフリカ系の増量に関しては、実写版『シンデレラ』もそうでしたよね)。

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とにかくキャストの面々(特に脇役の方々)の顔がアニメ的です。ヘアメイクや衣装の再現度も高く、よくぞこれだけマンガ顔を集められたものだと感心します。やはりハリウッドは層が厚いですね。衣装に関しても、特にベルと野獣がダンスする場面での黄色いドレスと青い服は、(アニメ通りとは言え)ちょうど『ラ・ラ・ランド』みたいじゃないですかー。

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エマ・ワトソンは、『ラ・ラ・ランド』の主役を蹴ってまでこちらを選んだ甲斐あって、悪くない出来です。ただ、見ていて前半の村娘然とした格好の方が似合っておりました。で思ったのは、実写版『シンデレラ』が彼女ならドンピシャだったろうなーってこと。少なくともリリー・ジェイムズなんかより、何倍も薄幸そうで可憐なシンデレラになったことでしょう。

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でもこの映画、特にアニメ『美女と野獣』のファンでもない大江戸にしてみれば、不可はないけど割と退屈でもありました。「再現」以上に、オリジナルに映画として跳躍する場面、輝きを放つ瞬間がなかったのです。そんなことは狙っていなかったのかも知れませんが、小生としてはそこが残念です。 唯一、ベルが丘の上で歌う場面がカメラの移動を含めて『サウンド・オブ・ミュージック』的だったのが、観ていて快感でした。

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2017年5月21日 (日)

U-20W杯、日本白星発進!

サッカーU-20男子のワールドカップが韓国で始まりました。今日は日本の初戦(vs.南アフリカ)ということで、夕方5時(日本時間)キックオフの中継をBSフジで見ました。ちょうどこの世代が2020東京オリンピックの代表(U-23)になるわけですから、注目度大です。

アウェイ・ユニフォームの日本は序盤、攻撃の形は作れているものの動きがぎこちなく、特に相手がアタッキング・サードまで入って来ると、そのスピードを全然捕えられません。遅い上に、間合いが遠すぎます。危ないなあと思っていたら、案の定(オウンゴール気味でしたが)先制されてしまいました。

でも時間は十分にありますし、その後守備も修正されて来たので、負ける気はしませんでした。ただ、なかなか得点できずに前半を0-1で折り返します。でも後半早々48分に同点にできたのが大きかったですね。後は59分に15歳の久保建英を投入すると、72分に久保→堂安で崩して2点目。結局それを守り切って、初戦を勝利で飾りました。久保はファーストタッチが決定的なスルーパスで(得点には至らなかったが)、場内をどよめかせました。2点目のアシストも見事だったし、このお兄さんチームの重要なピースとなっております。しかしながら、体の小ささ、弱さはいかんともしがたく、ボールロストもかなり多かったです。ま、チームとしてはそれを承知で使う、そういう戦い方をするということになりますが、それでも使う価値があることは言うまでもありません。

勝ったとはいえ、特に前半30分ぐらいは「こいつらヘタだなー」って思わざるを得ない調子で、見ててイライラしちゃいました。攻撃も遅いし、中盤のボールロストが多過ぎるし、守備は緩くて遅くて・・・。後半もDFがずるずる下がって危ないゾーンに侵入されることもあったりして、むしろ南アフリカの決定力の無さに助けられました。もう少しピリッとしないといけませんね。

ベルマーレから唯一選出されているDF杉岡大暉は出番なし。まあ暑い中、ハードな日程の総力戦になるので、必ず出番は来ることでしょう。ヤツの堂々と安定した守備と、流麗なオーバーラップに期待しましょう。

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2017年5月20日 (土)

「メッセージ」:日本の墨絵にも似て

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映画『メッセージ』は、かなりハウブラウな所を狙っておりますね。結構アタマ使いながら、観ておりました。そして本作のコメントで押井守さんが「SFというジャンルでしか実現できない、どうしてもうまく語れない感動というものが確かにあります」と語ったように、SFだからこそ「時間と人生」の命題を哲学的に語ることのできた作品だと思います。

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まずはこの宇宙船の造形が秀逸です。映画史においても、これまで円盤型をはじめいろんな形がありましたけど、タテ長というのは初めてではないでしょうか? で、外側も内側もメカなんかなくて、とにかくのっぺりとシンプルなのです。で、大江戸は(例えば『インデペンデンス・デイ』みたいな)タコ型宇宙人なんか出て来ると、その手(触手)じゃ細かいメカなんか作れっこないだろとツッコミを入れてしまうのですけれど、本作のような宇宙船なら納得です。これならこの人(?)たちだって、何らかの力で作れないこともないだろうと思えるような造形なのです。

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この映画を観ていて、日本美術(水墨画)との類似に勝手に思いを馳せました。白い靄(もや)の中に異星の生命体が現れる場面は、あたかも長谷川等伯の『松林図屏風』のようでした。その静謐さや空気感、異星人たちの姿形まで、よく似ていると思います。

「アボットとコステロ」と名付けられた異星人たちも、長澤芦雪の描いたタコ(右)に雰囲気が似ていませんか。それにしても、アボット&コステロなんていうかなり昔のお笑いコンビを口にしても分かり合えるなんて、いつも思うことですが、アメリカ人の間では古い映画やエンタテインメントが基礎教養となっているんですねえ。日本で「アチャコ・エンタツ」なんて言っても、相当な趣味人でない限りは通じそうにありませんもんね。

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そして宇宙人たちの「言語」として用いられる表義文字は、仏教の真理を表す「円相」のごとしです。この円相の哲学性と、この映画の哲学性がハーモニーを奏でているようにも感じられました。また、円には始まりも終わりもないということにおいて、「時間の概念がない」とか「HANNAH」とかにも通じているのです。

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終盤に至って宇宙船が縦から横へと向きを変えるのですが、横倒しになった姿は、若冲の鯨図のようでもありました。鯨ってのも「大きいがゆえに時を超越して神秘的」な生き物ですからねえ。

こんなことなら、もう少し(宇宙船が出現した)北海道関連の描写も入れていただきたかったところです。

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