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2006年4月 9日 (日)

スキスキ「好きだ、」

映画「好きだ、」に完全にノックアウトされた。石川寛監督は前作「tokyo.sora」も大好きだったけど、本作はそれ以上に素晴らしい。こういう映画、好きだ、   日常のリアリズムが織り成すニュアンスの世界、そのさりげない描写の繊細さのなんと豊かなことか。ドキュメンタリーのように長回しで撮って編集する手法は市川準を思わせもするが、それぞれの特質も正直に映像に出る(小生は二人とも大好きですが)。 17歳の二人(宮崎あおいと瑛太)が34歳になった時(永作博美と西島秀俊)が素直に納得できるキャスティングの妙味。ブルー・トーンの土手の、空の、美しい映像。極端なクロースアップや、人物を積極的にシャドーにする(そのシャドー部分の諧調も絶妙だ)石川寛らしい撮影。ボソボソとたどたどしくしゃべる人物の会話の「間(ま)」。 全てが好みだし、これぞ映画だ、と思う(もちろん違う形の「これぞ映画だ」も色々ありますけどね)。 込められた思いの深さを何としよう。 宮崎あおいがもう、胸かきむしられるほど最高です。

それにしても今年の宮崎あおい(彼女の「崎」はこれじゃなくて、つくりの上の方が「立」みたいになってるのですが、変換できなかったのでお許しあれ)の快進撃は凄い。映画は「ギミー・ヘブン」「エリエリ・レマ・サバクタニ」「好きだ、」と主演が続き、この後にも「初恋」「天国の森で君を思う」が控えているし、NHK朝ドラ「純情きらり」(半年の長丁場)もスタートした。 「EUREKA ユリイカ」でデビューした中学生の頃から、その存在感(と愛嬌とアンニュイのある表情、特に口もと)を高く評価していた大江戸でありますが、立派に育ってくれました、うん。

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