「涙そうそう」と「みゆき」のあにいもうと
映画「涙そうそう」は市井の心優しき人々がいっぱい出てきて、気持ちよく泣ける出来で、ヒットもうなずけるわけです。TBSのエース・ディレクターでもある土井裕泰監督は「今、会いにゆきます」といいこれといい、嫌味にならない気持ちのいい泣かせを上質の職人芸で見せてくれます。とは言え、この映画の健全さの裏には「禁断の果実に触れそで触れない」ギリギリの攻防が見え隠れしていて、そのスリリングな影に大江戸などは手に汗握ってました。こうなると、やや唐突なあの結末も、「ああするしかないよなあ」と納得がいくってもんです。
長澤まさみがいつもながら巧くって、妻夫木との相性もいいですね。ほんと今輝いている女優さんです。この兄妹の関係を見ると、多くの人は「ああ、1年前に『タッチ』ではなくて、むしろ長澤まさみの『みゆき』を見てみたかった」と思ったことでありましょう。それほど「涙そうそう」って、もうひとつの「みゆき」になってます(そういえば、この映画の舞台は沖縄。映画版「みゆき」で妹みゆきを演じた宇沙美ゆかりは沖縄出身、って色々ないまぜ・・・)。 それにしてもエンドタイトル最後の彼女の写真でダメ押し的にこちらを揺さぶるワザはなかなか大したものであります。
p.s.妻夫木聡くんは何年か前の「笑っていいとも」で、「僕が結婚して『妻夫木夫妻』になると上から読んでも下から読んでも同じになるって気がついて感動した」とか言っておったとか。
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