「檸檬のころ」のピュアな味わい
映画「檸檬のころ」、足りないところも冗漫なところも下手なところも多いけど、ピュアで心が洗われるようです。好きな領域です。 榮倉奈々も谷村美月も「いつの時代だ?」ってほど長いスカートの制服で、芝居は巧くないけど見事な存在感を放っています。 未熟な高校時代の、「伝えられない」自分の愛おしくも小さな世界から、人とのコミュニケーションによって、コミュニケーションを取ろうと一歩踏み出す勇気によってだけ、人は傷を負いながらも成長できるということを真摯に描いています。 特に谷村美月は終盤、榮倉奈々と校庭で並んで話す時に、足で踊りながらバランスを崩しながら円を描いたりするあたりの全身から発散するものが素晴らしかったです。デビュー作「カナリア」では“目ヂカラのある子”だったのに、本作ではそれよりも“全身で表現する子”になっていて、大昔の薬師丸ひろ子を思わせたりもしました。 そういえばこの映画を見ながら何回も相米慎二のことを思いました。多少相米っぽい場面もあったし、それ以上に女の子たちのリアルに生きてる力と美しさは相米だよなあ、って感じです。
ちなみに大江戸は「薔薇」も「醤油」も「檸檬」も感じで書けまする。
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