「世界はときどき美しい」のだ
レイトショーで「世界はときどき美しい」を観た。5話のショートストーリーを収めたオムニバスで、1時間10分とコンパクト。しかも新人の御法川(みのりかわ)修監督はなんと全編を8mmで撮影しています! その粒子の粗い独特の質感の持つ味わい。ショートショートを読むような、ニュアンスの世界の魅力。透明感とヒーリング感に溢れています。 その中では第2話の『バーフライ』が、唯一のモノクロ映像と柄本明のモノローグで進行させていくハードボイルドな世界で異質ながら印象的。無性にウイスキーが飲みたくなる映像。
しかしながら白眉は第5話『生きるためのいくつかの理由』。映像のみずみずしい美しさ。それ以上に、市川実日子のみずみずしい美しさ! 持ち味のすらっとした透明感のみならず、ここでは“若い女性が若い女性として生きていることの美”が圧倒的に、かつナチュラルに表現されています。実日子さんとしても「とらばいゆ」や「すいか」と並ぶ代表作と言ってあげたいところです(最近の彼女では、ソフトバンクのケータイのCMで加瀬亮と共演してるやつ=「そんなこと電話で言うかぁ?」もめっぽう良いです。終わりのところで、当惑しつつも目がうるうるしてて)。 ラストで窓を開けると入ってくる爽やかな風の気持ちよさと安らぎ。見事です。 この監督の今後に注目しましょう。
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