今ごろ「蹴りたい背中」
しばらく前に文庫化されたので読みました、綿矢りさの「蹴りたい背中」。 なるほど、ですね。ある意味、思ったとおりの世界だったけど、重要な役を担う男子の“にな川”がアイドルオタク的な奴なのがちょっと意表を突いたかな。まあ、けっこう好きな世界ではあります。
綿矢さんと金原ひとみさんが同年の芥川賞をダブル受賞した時には19歳と20歳だったし、あまりにも対称的な作品だったので話題になったけど(ついでに漢字+ひらがなの氏名ですね)、そんな2人の対比にダブル村上を見てしまうのは小生一人では無いでしょう。もちろん綿矢さんが春樹で、金原さんが龍ですが、どうしても綿矢さんの方は『お嬢さん』的に捉えられ、金原さんの方が危険で退廃的な文士タイプって、わかりやすく分類されてしまいます。でも文学の振幅って大きいほど面白いから、どっちも頑張ってね。 それぞれの持ち味を発展させて2人とも作品を出し続け、それなりに評価されているのは嬉しいことです。
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