怪作にして傑作「毛皮のエロス」
レイトショーで映画「毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」を観ました。昨今はシネコン増加のあおりもあって、こういうクセと個性に溢れるアート・フィルムかつハリウッド作品ってのは、ポジションが中途半端であるがゆえに、不遇な目にあっております。ということを超越して、怪作にして傑作。ニコール・キッドマンもよく受けたもんだ、こんなヘンな役。しかしあくまでも真摯な描き方で、失笑せずに済むのです。きわどいバランスを成功させているのです。スティーヴン・シャインバーグ監督は前作「セクレタリー」でも変態さんを扱っていたけど、あっちはバランスがうまくいってなかったのです。だけど、こちらはOK。まあ、ラストはキマリそこなった感じがありますけど・・・。 ヌーディストで始まりヌーディストで終わるは、本物のフリークスの方々も多数登場するは、ロバート・ダウニーJr.の多毛症メイクは「美女と野獣」だはで、もう大変ですけど、映像は美しいし、キッドマンも美しいし、ディテールの巧さは見事だし、何よりこんなヘンな物語を考えたイマジネーションに感嘆します。 やはり怪作にして傑作です。
| 固定リンク
コメント