ベルイマンとアントニオーニ
イングマール・ベルイマン監督が亡くなりました。 小生はここ10年ぐらいベルイマンが不当なほど映画史の中で忘れ去られてしまっていることに異議を唱えていたのですが、逝去をきっかけとして再評価の機運が高まったり、リバイバルの特集が組まれたりすることを願わずにはいられません。 ウディ・アレンをはじめ多くの映画人にリスペクトされ、影響を与えてきた孤高の巨匠。’60-70年代は世界の映画界でフェリーニと並ぶ最高峰だった監督です。 「野いちご」は大江戸の生涯ベスト・ダズン(12)洋画に入るであろう名作ですし(あのシュールな夢のシーン、あの人生へのまなざし、あの甘美なラスト)、他にも「狼の時間」(TV)、「仮面 ペルソナ」、「叫びとささやき」、「ある結婚の風景」などが好きです。 昨年公開された遺作「サラバンド」はあまりいただけませんでしたが・・・。
で、1日違いでミケランジェロ・アントニオーニも亡くなったことの偶然。実はアントニオーニ作品にはあまり馴染みがなかったりするのですが、一番印象深いのは「さすらいの二人」のラストにおける驚愕の移動撮影。
かたや「神の不在」(ベルイマン)、かたや「愛の不毛」(アントニオーニ)というキーワードで語られることの多かった二人。 ご冥福をお祈りします。
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