「犯人に告ぐ」は上出来
映画「犯人に告ぐ」はよく出来たエンタテインメントでした。派手ではないけれど、密度が濃く、2時間弱をダレ場なしで駆け抜けます。ある意味直線的なストーリーを、単純なものとしなかった要因は、登場人物の絡まり方と描き方、そして(地道な張り込みをきっちり描写するような)リアルさ。これらがサスペンスを生み、物語を豊穣にしていました。ある種のTVっぽさが勝ってて、映画のスケール感が乏しいのはやや残念な気もしますが、これだけ面白ければいいでしょう。「海猿」「HERO」「ガリレオ」などTV、映画をまたいで活躍中の福田靖脚本の出来の良さも勝因です。 組織内の悪役たちが(石橋凌も片岡礼子も)効いてましたが、何と言っても小澤征悦のワルっぷりが、腹が立つほど巧くって、リップクリームの塗り方の気持ち悪さなんか、ホントいやになります。 ところで、ラストの豊川の目を見開いた驚きの表情(と驚きの効果音)が何のことだったのかよくわかりませんでした。その直後に(開巻以来出ていなかった)「犯人に告ぐ」というメインタイトルが出て、エンドタイトルロールとなるので、もしかして「しまった!今までタイトル出ていなかった!!」の驚きだったのかしらん?
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