ベン・シャーンとワイン
所蔵者のご厚意により、ベン・シャーンの版画を見ながらおいしいワインをいただく会に呼ばれました。大江戸的にはベン・シャーンはやはり「第5福竜丸」の人だから、力強いメッセージ性の人なのですが、今回見た5点の作品はその地点から離れたものでした。その分、絵画の楽しさと意外な洒脱さ、一方でのプリミティヴなパワーを放っていました。
さて、まずは「ヴーヴクリコ」のロゼのマグナムでスタート。華やかでいいですね。 白はニュージーランドの「クラウディーベイ」の上級品“TEKOKO”、2004年。ソーヴィニヨンブランとは思えない強さ、深さ、コク。良いです。 続いての白は「ムルソー 04」、生産者はメモし忘れましたが、とにかく流石です。まろやかかつ厚み豊かです。
赤に移って、「シャトー・カルボニュー 03」。バランスの良い渋みと深みと枯葉香で、30分程たった時の味はお見事。 続いてカリフォルニアの「ベリンジャー」の“Clear Lake”、大江戸が好きなジンファンデルです。初期のセメダイン香、時がたつと黒すぐり、ブラックチェリー、チョコレート、クリーム、スモーキーな樽香などが濃厚に出てきます。 次は「シャトー・ブラネール 03」、メドックはサンジュリアン村の名品だそうで、確かにこれぞワインって感じの見事さです。うっとり。 一つおきに異なる方向のワインを出してくれてますが、今度の新世界チームはNZの「クラウディーベイ 03」のピノノワール。微々発泡かな。好きだけど、この段階で飲むとちょっと軽いかも。贅沢です。 キター、「シャトー・ピション・ロングヴィル コンテス・ド・ラランド 98」。5大シャトーに迫る実力で有名ですが、いやー、お見事!これぞボルドーはポイヤック村。グラスに注いで40分ぐらいたつと、凄いことになっておりました。恍惚ですね。
ここで趣向が変わって、「ザ・マッカラン カスクストレングス」の登場。これには驚きました。マッカランといえば白洲次郎氏も愛したシングルモルトですが、こちらはその樽出し原酒で、アルコール度数も58%もあります。でもでもこれが、ブランデーのようにとろーりまろやか。アンズとかフルーティーな香りがふくよかで、これはウマイです。凄いです。ヤバイです。 調べてみたら、スペインのシェリー樽を使って、シェリーの香りが存分に浸み込んでいるのだそうです。なるほど。輸入元のサントリーさんの希望小売価格は1万円の品です。
最後に「シャトー・コルバン 98」。この期に及んで飲むと、ちょっと押しが足りないかなあと思ったけど、でもこの複雑さとうっとり感があるのだから、ちゃんとボルドーです。 おかげさまでおいしく勉強になりました。
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