深津絵里 in 「春琴」
世田谷パブリックシアターで、サイモン・マクバーニー演出、深津絵里主演の舞台「春琴」を観ました。谷崎の「春琴抄」をベースに、「陰翳礼賛」をまぶして、現代の我々の世界にはしごをかけた感じです。 1時間50分ほどのコンパクトな芝居ですが、素晴らしい緊張感と才気溢れる演出。闇の美しさと恐ろしさ。その芸術性の見事な高さに唸ります。エンディングで、緞帳に押しつぶされる三味線に戦慄します。演劇賞に絡んでくることは間違いないでしょう(現代の部分がちょっとありがちで、イマイチに思えましたけど)。
ああ、ふかっちゃん、凄かったです。素晴らしいです。文楽や歌舞伎の要素も取り入れているのですが、春琴が子供の頃は人形の横に黒い衣装の彼女が立って、子供声でしゃべるという趣向。成長にしたがって4段階ぐらいで声を使い分けていく、その見事さ(そういえば、以前ケラさんだったか松尾スズキさんだったかが、「彼女(深津)は、何といっても声がいい」とか言ってましたね)。 演出的な問題で色々と制約が多く、難しい芝居だったと思いますが、高いレベルでやり遂げています。
カーテンコールは4回ぐらい続きました。質の高い芝居への大いなる賞賛という空気でした。いつも書くけど、カーテンコールでは常に目頭が熱くなってしまうのです。ああ、舞台は素晴らしい。 そして、円筒形でタテに高く客席が配置されたこの劇場は、見やすく、舞台が近く、コンパクトに700人も収容できて、そういった面でも見事です。 今日は、前から2列目の左隅という席でした。左サイド駆け上がって、コーナーポストぎりぎりでセンタリング!みたいな席。 一番近い時には、3m先にふかっちゃんがいたのです! おととしの「あわれ彼女は娼婦」以来久々の生深津でした。今年は三谷幸喜監督の映画「ザ・マジックアワー」もあるし、キムタクと再共演するドラマもあるので、楽しみです。
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