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2008年7月29日 (火)

「ぼくの複線人生」を読む

大江戸の尊敬する、資生堂創業者の孫にして名誉会長の福原義春さんの著書「ぼくの複線人生」(岩波書店)を読みました。東京新聞(中日新聞)の連載がもとになった自伝的回想録で、2007年春の刊行時から気になっていたのですが、今頃取り寄せて読みました。 福原さんほど文化に素養のある経営者ってのはなかなかいないわけですが、それは資生堂の古くからの社風に合っていたから成り立った・・・という事実も、最終的には否めないところだと思います。他の企業だったら、なかなかこうはいかなかったとか、つぶされていたってとこがあると・・・。 でも、福原さんの尊敬すべきところは、文化や(企業の)歴史に対する畏れと敬意の強さです。なにしろヒト、モノ、カネ同様に、“文化”は経営に役立つ資本であると考え、資生堂に「企業文化部」を作った方ですから。 ゴルフ嫌いで、ゴルフは一切やらず、おかげで本を読む時間が作れる、ってのも共感できます。

十数年前の著書「企業は文化のパトロンとなり得るか」も、バブル期の企業メセナへの提言、本質的メセナ論として、素晴らしかったです。

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