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2008年7月 6日 (日)

名作「歩いても 歩いても」

是枝裕和監督の「歩いても 歩いても」は、世に出てすぐ「clasic」と呼ばれるべき見事な日本映画です。何も大きな事件は起きないのに、ただ家族が集まってまた離れるまでの1日半を描いただけの作品なのに、映画の魅力に溢れています。現代の日本がまさにここにあります。そして、人生の本質がここにコンパクトに詰まっています。 「泣かせ」映画なんかとはまったく別の次元で、そくそくと心にしみる小さな名作となりました。

老いた両親の住む実家に帰ってきた子供たちとその家族を巡る一連の描写が、あまりにもナチュラルでリアルで、それでいて豊穣で、素晴らしいです。誰もが思い当たったりする事柄やニュアンスが次々と出てきて、それでいて並の監督には真似のできない繊細な仕事ぶりです。映画全体に品性があります。 その上、母親のエピソードに中盤以降加わっていく“毒”のニュアンスの、ぞっとするような凄みが(ここらは樹木希林の独壇場)、この映画に一層の深みをもたらしていきます。 演出ももちろんですが、ほのめかしやニュアンスを細かく、絶妙に配置した脚本が見事です。 

樹木も「東京タワー」以上に名演を見せていますが、頑迷な父親役の原田芳雄の老け芝居も立派なものですし、阿部寛が(いつもの芝居とは違って)抑制を効かせて、いい味出してます。 夏川結衣も、やけに老けちゃったYOUも、寺島進も、ここではみんないつもより何割かいい演技を見せてくれてます。ナチュラルです。 

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