「ハプニング」にヒッチコックを思う
M・ナイト・シャマラン監督の新作「ハプニング」、やはり公開初日に観てしまいました。どうも、ネタバレを恐れる心理がそうさせるのか、この監督の作品は公開初日か2日目に観てしまうことがほとんどです。 前作「レディ・イン・ザ・ウォーター」のあんまりな出来にズッコケただけに、今回は予告編から期待したわけですが、かなり楽しませてくれました。 冒頭すぐに異様なハプニングが次々と発生します(その描写の素晴らしさ)。そして、その恐怖がどんどん広がっていき、息苦しい絶望に変わっていく怖さ。謎とサスペンスの純度の高さ。シャマランがヒッチコック・ファンだということが、今までで一番わかるように思えました。描写力の確かさも、最近の監督の中では、やはり貴重です。
そして、シャマランといえば、「愛」! 今回も、クライマックスの愛の行動の崇高さと感動は、傑作「ヴィレッジ」に迫るものがありました。 (以下ネタバレ注意)だがしかし、ここまで見事な緊迫感で引っ張ってくれたのに、その後が「アレッ?」ってなったのも正直なところ。クライマックス、これで終わりかい?結局、謎は解明されないのかい?そして、最後の展開も「だから何?」って感じでした。 うーん、ちょっと歯痒い。面白かったのに残念。ま、「鳥」をはじめヒッチコックの諸作も、「十分楽しませたから最後はどうでもいいや」的ないいかげんさはありますもんね。
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