「おくりびと」と峰岸徹
遅ればせながら映画「おくりびと」を観ました。映画の脚本は初めての小山薫堂の目の付け所の良さと、配慮の行き届いたホンを、安定感のある滝田演出が過不足なくまとめあげています。 何よりも役者たちの演技が素晴らしく、山崎努がさすがの味といかがわしさでカンロクの芝居を見せれば、余貴美子も吉行和子も笹野高史も愛すべき命を役柄に与えています。広末は前半あまりにもふにゃふにゃにこにこと幸せ芝居で、この人大丈夫?って感じでしたけど、後半はいい顔でいい芝居見せてくれました。 でも何よりもモックン!彼の佇まいと動きの美しさこそが、この映画のキモです。納棺師の所作を伝統芸能のような、あるいは茶道の点前のような、ほれぼれとする様式美で見せられたことで、この映画は成功のキップを得たのです。
先日亡くなった峰岸徹が「死体の役」!で出演してました(ま、回想場面では生きてましたが)。亡くなった時の報道には、岡田有希子自殺との関連云々は無かったように思えましたが、そんなこともありましたよねえ。真相は永遠に藪の中です。 でも小生にとっては峰岸徹といえば、大林宣彦の怪作「ねらわれた学園」(薬師丸ひろ子主演)。クライマックスで、峰岸が「私は、宇宙だ!」と叫び、パッとマントを広げると、その腹に目玉の絵が描いてある(いや、シリアスなつもりみたいなんですけど)という史上最大級の脱力シーン。腹踊りじゃないんだから・・・。 「おくりびと」の死体役でも実は腹に目玉が・・・とか思うと、期が気じゃありません。
ま、それにしてもフライドチキンがとってもとっても食べたくなりました。
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コメント
四谷四丁目の交差点(サンミュージック前)を通るとき、必ず『二人だけのセレモニー』を口ずさんでしまいます。
投稿: 明石四楼 | 2008年10月21日 (火) 20時21分
小生も「二人だけのセレモニー」が一番好きでした。尾崎亜美作曲ね。
投稿: 大江戸時夫 | 2008年10月22日 (水) 00時34分