傑作「ブロードウェイ♪ブロードウェイ」にボロ泣き
映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」(原題=Every Little Step)、大江戸の今年のベスト1候補です。いやあ、めっちゃ泣きました。序盤から最後まで、いろんなところで落涙しておりました(両隣に人がいなくて良かった・・・)。 ’06年のブロードウエイ再演のためのオーディションを追ったドキュメンタリーですが、なにしろ8ヶ月もかけて3千人の応募者を19人に絞り込む作業です。とにかくダンサーたちの“戦い”と、舞台に立つことの厳しさがリアルに迫ります。 しかも「コーラスライン」という作品自体が、ブロードウェイのオーディションをテーマにしたものなので、その二重構造がたまらなくスリリング。そこに、マイケル・ベネットが’74年からこの作品を生んだ頃をあぶりだすパートもインサートされて、面白さが更に増幅されます。
小生はショウビジネスとか舞台とかに妙に感動してしまう人間でして、芝居を観るといつもカーテンコールで目頭が熱くなってしまいますし、「ショウほど素敵な商売は無い」(There's no business like show business.)って言葉に素直に賛同する者であります。ですからこの作品はもう完全にど真ん中のストライク! 全てのシーンに心打たれてしまいました。
ミュージカル「コーラスライン」に関しては、大江戸はブロードウェイ(中野じゃないよ)でも観ましたし、’85年の映画化バージョン(成功作とは言い難かったですねえ。マイケル・ダグラスがミスキャストだし)も観ております。でも、ショウビジネスを描くこの世界観にむしろ近かったのは、ボブ・フォッシーの「オール・ザット・ジャズ」じゃないかなあ。なにしろ故ロイ・シャイダー演じるミュージカル演出家(もちろんフォッシーがモデル)の自分を鼓舞する台詞が“It's show time, folks.”ですし、エンドタイトルの曲は「ショウほど素敵な商売は無い」ですもん。 それにしても「コーラスライン」の中の楽曲って、こんなに感動的でしたっけ?って思ってしまいました。“One”は当然ですが、それ以外も良いのですねえ、今聴くと。
やはり日本人として高良結香の奮闘とその結果には、じーんと来ました。 あと白眉はゲイのダンサー役のオーディションで、演出家のボブ・エイヴィアンが感銘を受けて泣いてしまうところ。確かに凄い『魂の演技』でしたもん。 ほかにも素晴らしい場面の連続です。
今年の洋画はベスト1に置けるものがなかなか現れず心配していたのですが、これで安心できるってものです(あとはザ・フーとストーンズのドキュメンタリーに期待しているのですけど)。
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