「ぴあ」のリニューアルに反対
「ぴあ」が新しくなったんです。題して「ススめる! ぴあ」。表紙や、中身のレイアウト・デザインはそんなに変わらないのですけど、編集方針が大いに変わりました。つまり、今までの「ぴあ」は世の中の数多くの情報を均質に公平に網羅して、選択は読む人の自由にさせてくれていたわけですが、これからは情報量を絞って、おすすめのコメントや記事を増やしていくってことのようです。 またページ数も、先週号が232ページ+表紙なのに、今号は112ページ+表紙と半減以下になっちゃってます。なのにお値段据え置きの350円。で、何十年ぶりに週刊から「隔週刊」に逆戻りです。
うーん、なんだかんだで結構な激震ですね。この廃刊相次ぐ雑誌不況の時代に加えて、情報誌はインターネットに押されて商売上がったりのはずですから、老舗「ぴあ」としても苦渋の選択だったのかも知れません。おまけに映画に関して言えば、シネコンの普及で「ぴあ」の締め切りに上映スケジュール決定が間に合わず、掲載情報があまり意味を成さなくなってきている苦しさもありました。あと今回はコンサートやライブや演劇の情報って、メチャ減りましたねえ。
でもでも、小生はこの路線変更には賛同できません。「ぴあ」の良さは、クールに平等に、色眼鏡を通さないナマの情報をできるだけ多く提供することであり、絞ったり薦めたりするってのは昔から「シティロード」や「東京1週間」やその他の雑誌がやってることなのです。「情報が多すぎて、何を選んだらいいかわからない」という読者の声に対応した、との説明もありましたけど、うーん、そしたらますますメジャーなものに集中するだけじゃないのかなあ。趣味志向や思想の操作のような気さえします。おススめするなんて、大きなお世話です!
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コメント
そうですね。
時代は繰り返すと思います。
情報が少なく、どれを選んだらよいかわからない時はプロによる「リコメンド」の時代。お仕着せの「フルコース」と言ってもいいかもしれません。
情報収集に慣れ、スキルが上がると自分で取捨選択する「アラカルト」の時代。
情報が増えすぎると、もうどれを選んだらよいかわからなくなり、身近なカリスマの真似やアドヴァイスを受け入れる「セレクト」の時代。
情報が氾濫し、ホンモノを見分ける眼力が必要になったが故の「リコメンド」の時代。
今はこのあたりでしょうか。
こうしたサイクルのなか、中立的に、ポリシーを貫くのは大変でしょうけど、大事ですよね。
すでに「消費者中心」の「迎合」の時代になってきているとしたら恐いですね。
投稿: 明石四楼 | 2008年11月 8日 (土) 03時41分
基本的に情報誌の類を読まないrisiにはどーでもいいことなんですけど、最近いろいろな所でそのテの妥協や迎合が多くって、少しばかり悲しく、尚且つ心を痛めておりました。
嗚呼ピアよ、おまえもか!って感じですよね。
食っていくためには矜持も捨てなければいけない時もあるのかもしれないけれど、妥協したがためにさらに購読数が減り、ついには廃刊、っていうの、結構ありましたよねえ。
ピアにはその徹を踏んでほしくないっすね。
体裁を変えてももう一踏ん張りして頂きたいもんです。
投稿: risi@いけばな | 2008年11月 8日 (土) 20時46分