圧巻!「シャイン・ア・ライト」
ザ・ローリング・ストーンズ×マーティン・スコセッシの映画「シャイン・ア・ライト」は超ぶっとびライヴ・ドキュメンタリーの傑作です! ストーンズのライヴ映画といえば、ハル・アシュビーの傑作「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」(’81年のアメリカ・ツアーの記録)が今も燦然と輝いていますが、今回は’06年NYのビーコン・シアター、ってことは四半世紀後ですよ。あの頃だって、「40にもなって、こんなパワフルなバリバリのスーパースターだなんてスゴすぎる!!」と思ってたのに・・・。今回の撮影時で、メンバーは59-65歳ですよ。驚きあきれます、いや尊敬・感動します。しかも四半世紀前とほとんど変わらないエネルギッシュなライヴを見せてくれます。みんな多少シワが増えたものの、体型も動きもあまり変わりません。チャーリーなんかハゲ頭が直っちゃいました。でも、何と言ってもミック!!!奇跡です!神か宇宙人かというぐらいの若さ!あの細さ、腹のスマートさ、20代の頃と変わらぬ動き!ロックンロールの奇跡です。でもその裏の、水面下の尋常ならざる努力と節制を思うと、頭が下がります。 一方、ますます悪鬼のようなキースは、さすがに年齢を感じさせますし、ギター・プレイも四半世紀前の方が絶対カッコイイけど、何でもいいんですよ、キースだから。ソロで歌う場面で羽織ったコートの襟には「パイレール・オブ・カリビアン」バッジがしっかりとついてました。
スコセッシという超一流にまかせたのも、さすがストーンズ。しかもスコセッシは自作にも頻繁に楽曲を使ってきたストーンズ好き。ハル・アシュビーがスタジアム・ツアーの大きな空間を見事に描いたのに対抗して、2800席のクラシカルな劇場を地元NYで選んだスコセッシ。本作ではストーンズとの至近距離がウリになってます。 「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」で、ハル・アシュビーが1カットだけ出てたのに較べて、開巻しばらくとエンディングに出まくってるスコセッシ。過去にザ・バンドやボブ・ディランの映画を手がけ、「ウッドストック」(監督:マイケル・ウォドレー)の編集をやっていたスコセッシならではの見事なキャメラと、無理やフラストレーションの無いカットつなぎ。さすがです。
この手の映画は音量が命ですけど、新宿の武蔵野館さん、頑張ってました。期待以上に大きないい音でした。 それにしても12月5日公開のこの映画、最初から「宣伝規模の割には劇場数と規模が小さいなあ」と思ってましたが、もうレイトショー公開じゃないのはここ新宿ぐらいです。あとは“本丸”の六本木を含め、みんな夜の回ばっかり。 でも今日の武蔵野館は満席の盛況。いったいどうなってるの? 本来はテアトルタイムズスクエアみたいな大スクリーンで観たい映画であります。
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コメント
まだ見に行ってないけど、ロック小僧必見ですね。
ところで「映画秘宝館}(?)とかいう、ちょっとゲテもの系っぽい雑誌の表紙を飾るキース、見ました?
スゴすぎます。
投稿: risi@いけばな | 2008年12月22日 (月) 07時50分