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2008年12月 3日 (水)

「ラブファイト」ときいちゃんの輝き

映画「ラブファイト」、素敵でした。 原作マンガは知らないのですが、確かに「ああ、マンガだなあ」的な困ったシーン、脆弱な描写はあります。でもそれを補うだけのピュアな輝きがあるのです。それは主役の若き二人の輝きにほかなりません。北乃きいと林遣都の演技の良さに加えて、ボクシングなどの体技を自らこなしたことで、その輝きが増してます。見事なフットワークに加えて、林の走りっぷりや北乃のなわとびや回し蹴り!が、映画に説得力を与えているのです。

おまけにきいちゃんはボウリング場でパンツ丸出しで頑張りました。その後のクライマックスでの二人の“ラブファイト”が、けっこうエロティックな暗喩になっていたことも成島出監督のたくみなたくらみでしょう。 それにしてもこの子は「目」がいい。昨年の「幸福な食卓」でも小生はほめております(’07年2月13日参照)。 そして、なぜか髪の毛を上げると別人の顔になってしまいますね。

ところでこの映画、相米慎二監督のデビュー作「翔んだカップル」(’80)に驚くほど類似点が多いのです。原作のせいなのか、映画独自なのかは知りませんが、まず高校1年生男女が主人公なこと、主人公男子がボクシングをやること、主人公二人がケンカ友達風であること、彼らの家庭や親の描写は一切無いこと、主人公女子を慕う番長キャラがいること、そして主人公男子を慕う一見地味、ちょいとエキセントリックな女子がいることなど、そっくりです。さらにボウリング場でモグラ叩きゲームが出てきたことで、この監督の確信犯ぶりがわかりました。なんといっても「翔んだカップル」といえば、“モグラ叩き”の名シーンなのですから・・・。あのシーンの長回しに匹敵する長回しもありました。主人公二人と大沢たかおがからむシーソー公園の場面で、長回しならではのナマな感情の揺れ動きを痛く切なく捉えた名場面になっています。

若い恋にからむ大沢と桜井さっちんの大人の恋もバランスよく配置されて、この二人の芝居もなかなか結構です。本作で初プロデューサーの大沢たかお、いい仕事しました。 まあこの作品、自分でもほめすぎはわかっているのですが、それでも点数を甘くして愛すべき一作です。なんせストライクゾーンのかなり真ん中だもんで・・・。

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