原研哉デザイン展『本』
武蔵野市立吉祥寺美術館で3月1日まで開催の「原研哉デザイン展 本」を見ました。『友人、原田宗典がモノ書きだったおかげで。』という副題がついてまして、どうも2人は高校時代からの友人だったそうですね。でも原田の本よりもむしろ姫野カオルコの本のデザインの方が、いやいやそれよりも朝日新聞社の月刊誌「一冊の本」のデザインの方が、より優れていると感じました。「一冊の本」の、白を基調にしたシンプルな造形はまさに原イズムの顕現ですね。美しいです。
あとは自らの上梓した書籍類。やはりさまざまな白とタイポグラフィーのみ、といった一見して原さんとわかるブックデザインをまとめて観覧できました。でもまあ、表紙もさることながら、中のレイアウトや文字組みの毅然とした美しさに、感銘を受けますねえ。こういうセンスって野球選手や音楽家と同じで、あくまでも「才能」の領域なんですよねえ。 さらに原氏は文章も見事なのでして(「無印良品」の広告コピーは氏自身が書いていたりします)、挨拶文にあった「文芸書の装丁はセンスが良すぎてはいけない。そして本文の内容に合致しすぎてもいけない。ほどよく野暮で、多少本文とずれている程度のとぼけ方がいい味を出す。」なんてのも、なるほどの至言であります。 こちらも去年の当ブログでの関連記事です。 ↓
http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-7ce7.html
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