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2009年3月17日 (火)

傑作「ベンジャミン・バトン」

映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は期待以上に素晴らしい出来で、本年のベストワンに置いてもいい傑作なのでした。2時間47分に凝縮された“特別な”人生を、篇中の老女の娘と共に追体験する旅路。人間の生と死、エイジング、運命といったものを「時間」(ラストカットの時計が示すように)と絡めて考察する哲学的エンタテインメント。そこで描かれたテーマは深く、人間の本質に迫っています。

映像に「格」があります。もちろん時代を再現した美術や衣装も含めての見事さですが、まさにハリウッドの底力って気がします。 原作はF・スコット・フィッツジェラルドの短編だそうですが(ケイト・ブランシェットの役名が、あの「ギャツビー」の“デイジー”!) 昔から短編小説は映画化の相性が良いんですよね。長編小説を映画化してもダイジェストにしかならないけど(「ハンニバル」とか・・・)、短編をクリエイターが自在にふくらませると、そこに“映画”が立ち現れるのです(「2001年宇宙の旅」とか・・・)。 完璧な映像の中に、比類なき物語の中に、見る者の胸を打つ感銘が宿り、小生は終始感動を覚えながら観ておりました。「絵」に、胸かきむしられるのです。 脚本が「フォレスト・ガンプ」のエリック・ロスですが、大江戸的には「ベンジャミン・バトン」に軍配を上げることにためらいはありません。

関係ないけど「オーストラリア」と同様に、ここでも第2次大戦時の日本軍の攻撃が非難され、「Jap」呼ばわりされておりました。うーむ。

VFXがやはり革命的です。「フォレスト・ガンプ」も、SFやアクション以外でCGを使うことの意味を革命的に進化させてましたが、ここでのブラッド・ピットの年齢の変化を体型の比率から変えて表現するところまで行くと、どこまでが「演技賞」の領分で、どこからが「特殊効果賞」なんだか、わからなくなりますよね。シワのない20代の場面のブラピなんぞは、おおまさに「テルマ&ルイーズ」の頃のブラピです。

それにしても、これでオスカー作品賞を取れなかったなんて!「スラムドッグ$ミリオネア」はこれ以上に超絶的に素晴らしい出来なのでしょうか?「ディパーテッド」が作品賞取った年あたりだったら、もう楽勝だったのにね。

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