珠玉の85分「ハルフウェイ」
先日大いなる期待を書き記した北川悦吏子初監督作品「ハルフウェイ」を観ました。思った通り「大江戸好み」ど真ん中でした。やはり「花とアリス」や「好きだ、」のようなセミ・ドキュメンタリー・タッチが、リアルな情感をわくわくと、ひりひりと活写して、ハートに迫ります。保健室が、川べりのとびとびの柵が、シャボン玉が、書道部の部屋が、いちいち良いではありませんか。 書道部顧問の大沢たかおときいちゃん(「ラブファイト」コンビだ!)の「私の友達が・・・」の会話なんて、かなり笑えます。
北乃きいちゃんは可愛いけども、この役は相当厄介な性格の女の子ですねえ。なんか、このままお年を召していくと、たまらん性格のオバちゃんになりそうなキャラクターではありました。そこが前記の2作品と違うところ。きっと女性の監督だから、こういうキャラクターになったんだろうなあ。男の監督は、そうしないよなあ。 それにしても台詞を封じ込んで、アドリブにまかせたという北川監督、感覚的に岩井俊二に似てるけど、ステキです。キャメラの動きなんか、普通ならやらないような無駄な動きをするのですが、それは主人公や観客の心情に寄り添った動きなんですね。「目で追う」動きがそのまま映像になっているという・・・。
ところで、この映画で脇を固める二人、仲里依紗と溝端淳平は、そう「ハチワンダイバー」のコンビではありませんか。うーむ。
美しくコンパクトな85分です。 小生がこの手の作品にやけに惹かれるのは、残念ながらこういうキラキラとチャーミングな高校生活を送って来なかった反動に違いありますまい。うーむ。
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