もう一息、「ジェネラル・ルージュの凱旋」
映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」は、昨年の「チーム・バチスタの栄光」のチームが再結成しての続編的位置付けの作品ですが、どうもバランスが悪く演出力に疑問アリだった前作に較べて、けっこう楽しめる作品になってました。
やはりタイトル・ロールを演じる堺雅人の功績が大です。小生は堺ファンでありつつも、「クライマーズハイ」の演技は、助演賞を総なめにするほどではなく、確かに「怒り」の部分はおお!と思わせるものがあったけど、全体的にはあと一歩改良の余地アリと思っていたのでした。それが本作ではかなり改善されていて、「笑顔で喜怒哀楽を表現する」堺の面目躍如、しかも憤怒の芝居も凄かったです。ただ、最後に「普通」を表現するシーンで、ちょっとバランスが崩れて芝居のクォリティーが落ちました。残念。
ただ中村義洋監督は今回もまだ発展途上(「フィッシュストーリー」でも発展途上だと思いましたが)。 クライマックスの大事故→病院のダイナミックなドラマを畳み掛けるべきシークェンスでは、本来もっともっと圧倒的な緊迫感とてきぱきしたカット割りの躍動感が、高鳴る音楽と共に見る者のハートを揺さぶって圧倒すべきだっただけに、そこに医師たちの「仕事」にかける熱い志とプライドを強烈に打ち出せる場面だっただけに、「そこそこ」で終わってしまったのが残念でした。
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