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2009年5月22日 (金)

やはり素晴らしい「buy a suit スーツを買う」

昨秋、この作品の編集を終えた直後に急逝した市川準監督の遺作「buy a suit スーツを買う」を観ました。DV作品なので、フィルムの質感がないのが残念ですし、低予算でアマチュアの自主映画っぽさを漂わせつつ、の47分ですが・・・しかし、まぎれもなく市川準です。東京を描き、市井の人々を描き、そこには愛があります。登場人物の顔が、リアルな日常会話が、演出なしの街の風景が、ちょっと観ただけで「ああ、やっぱり市川準だ」という感覚で、素晴らしいです。 役者っぽくなく、素人みたいな舞台人を多用した市川準。今回の妹も兄も、そして兄の元妻(くたびれ方が絶品!)も、市川作品でしか見られない役者たちと芝居です。3人が浅草の居酒屋で飲むシーンは、圧巻です。市川の「東京日常劇場」(5分枠のTV作品)のタッチを思わせたりもします。

街としては秋葉原、吾妻橋&浅草が描かれ、「ああ、あそこだね」と思いつつ、やはりこのリアルな空気感は市川準ならではだ、2008年(昨年)の東京そのものだ、とある種の感銘を受けるほどのものです。 (以下ネタバレあり)ラストに訪れる唐突な「死」は、作品のバランスを崩すほどで、「なんで?」と思わずにはいられませんが、市川本人の死を暗示しているかのようで、不思議です。 もうこの世界が見られなくなるかと思うと、改めて悲しいです。一番好きな監督でした。 それにしても本作、タイトルからは絶対に想像がつかない内容でした。

同時上映の「東京レンダリング詩集」も、街に、東京にこだわった市川らしい、いわば俳句のような映像。 それにしてもこの「buy a suit」が『goo映画』や『Cinemanet.cafe』などのサイトにコメントやトラックバックが全くついていないのに唖然。みんななぜ市川準の遺作を無視できるんだよおお(いくら関東地区はユーロスペース1館で、モーニング&レイトショーだけだったとはいえ)。

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受信: 2009年5月22日 (金) 17時01分

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