「ザ・スピリット」、イマイチかな
「シン・シティ」「300スリーハンドレッド」のフランク・ミラー監督最新作「ザ・スピリット」を観ました。もともと“グラフィック・ノベル”と称するスタイリッシュな劇画を描いていた人で、映画もそのスタイルをモロに踏襲しているのがミソ。このCG時代だからこそ可能になった映像世界ってわけでして、そのハイ・コントラストのモノクロ映像に挿し色の赤(「シン・シティ」では黄色もありましたね)が利いて、鮮烈な効果を上げています。カッコイイです。
ただ本作は「シン・シティ」に比べて、随分とゆるい印象。バイオレンスのゆるさってこともありますし、セクシャルな面からも、物語の緊張感やシャープさも、ちょいとガッカリな感じで・・・。ユーモアに関しても微妙。サミュエル・L・ジャクソンがらみの場面はイマイチ笑えませんねえ。主人公と女性たちとの会話なんぞは、けっこうニヤリなのですけど。
それにしてもこの主人公、怪傑ゾロかバットマン宮本かってな、「タヌキ風顔面直貼り黒マスク」が、ムムムです。ハッキリ言って、こんな奴いたら笑っちゃいます。それなのに、モテモテです。 まあ黒づくめでロングコートにソフト帽、ワンポイントの赤いタイっていう装いは、実に大江戸好みなのですが(確かに、こんな格好することもありますよ。マスクの代わりに黒ぶちメガネで)。
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