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2009年7月31日 (金)

今どき「AMEBIC」

古本屋で買った金原ひとみの「AMEBIC アミービック」(2005)を読みました。金原作品は「蛇にピアス」も「アッシュベイビー」も読んで大変な才人だと思ってましたが、本作も凄いです。巻頭をはじめとして、随時挿入される『錯文』とやら--精神分裂的に、イカれて、イッちゃってる時の支離滅裂な文章--が、圧倒的です。そのぶっとび方、その狂気、その句読点なしの、スピード感たっぷりの“意識の流れ”(ジェイムズ・ジョイスもびっくりだ)。病んだ現代を照射しながらも、普遍が浮かび上がります。

そもそも何度か出てくる「アミービック」なる言葉への言及はなく、本体やカバーにも説明はありません。ただ腰巻には[Acrobatic Me-ism Eats Away the Brain, it causes Imagination Catastrophe.](アクロバティックな『自分』主義は脳を食いつくし、想像力の崩壊に至る)とあり、その頭文字を合わせると“AMEBIC”になってます。でも辞書を引くと、「アメーバのように」とありました。なるほど、ameba→amebicね。

とにかく金原本人を思わせる主人公の壊れ方が圧巻で、その破滅、自己崩壊を描いた小説ですが、文章が惚れぼれするぐらい独創的で、ヘタに見えてウマイです。まあ、「蛇」も「アッシュ」もラストがイマイチ決まりきらない恨みが残るのですが、そこらへんも含めてまあ「どこを切っても金原ひとみ」ってことで・・・。

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