「蟹工船」見事に失敗
SABU監督による「蟹工船」、これがなんともひどかったです。予告編見た時から、ああこれはダメだと思ったけど、むしろ思った以上にダメでした。リアリズム排除で、衣装や美術も時代を超越した独自の世界。まるで塚本晋也的なメタル・サイバーパンクの世界を、長髪や現代顔の若者たちが、現代劇風に動き回ります。あの小林多喜二の原作が放つ絶望的、閉塞的な暗さ、汚さ、怖さの3Kが絶対的に欠けていて、なんともナマクラな出来です。SABUはどんどんつまらなくなっていきますねえ(「ポストマン・ブルース」の面白さと輝きはどこへ?)。
いっそ石井聰互的にパンクに振り切れちゃえば浮かぶ瀬もあったろうに、どうにもこうにも失敗作と言わざるを得ないでしょう。テンポ悪いし、何一つ盛り上がらないし、笑うに笑えないし。 プロレタリアートに興味がなかったのかも知れないけど、じゃあ何でこの題材なの?って感じです。役者たちにも、どうしたもんやらという迷いが透けて見えます。 そもそも悪役が西島秀俊ってのはどうよ?ちっとも悪そうにも怖そうにも見えません。やっぱり(類型的であろうが)六平直政とか麿赤児とか菅田俊とかじゃないとね・・・。 エンドタイトルになった時、とても虚しかったです。多喜二が築地警察で拷問死した甲斐がないじゃあないですか。
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コメント
こんにちわ。蟹工船 正統派映画シナリオ
私が描く場合はこうです。(私は映画人ではありません)
1シーン :外でゴタゴタと集まってくる稼ぎ労働者たち
看板に書いてるxx人夫紹介所という周旋屋(派遣会社)の事務所
事務所の中
机からすーっと離れてカウンターの前に立つ職員
職員 : 「おーっ。学生さんかい。良い仕事があるんだよ。
蟹の缶詰めの仕事だ。日給2円(8000円)。
飯3食付きで風呂もあるぞ。どうだ。」
学生あがりの
雑夫 : 「はい。お願いします。」
職員 : 「良ーし。決まった。ここに名前を書け。早速行って
もらうぞ。汽車賃と食事は出すよ。」
横に首振る
「おい。この学生さんを一緒に連れて行け。」
周旋屋の
男 : 「へーい。わかりました。」
外へ出る二人 まだ稼ぎ労働者たちが
ゴタゴタしている。
周旋屋の
男 : 「邪魔だあー。どけー。」
タイトルシーン:オーバーラップ
霧深いカムサッカの荒海
大きくゆらゆらしながら、黒いものが見える。
接近していくと千切れた黒い昆布のようなカッパに
何本もワラひもで、縛られている。あきらかに死体
が?
タイトルのバックmusicを挿入
蟹工船
2シーン :函館 今にも出航する博光丸
その船内
糞壷で稼ぎ労働者たちは寝る場所を
確保し、荷物や私物を整理整頓している様子。
B漁夫 : 「おーい。地獄さ行くんだでー。」
「俺らもう一文も無えー。ーーー糞。こら。」
となりの漁夫の手を握り、自分のポケットの中に
押しあてさせるB漁夫。
となりの漁夫、だまって、B漁夫の顔をみる。
B漁夫 : 「ヒヒヒヒヒヒ………………。花束だよ。」
3シーン :上層幹部のサロン
船上ホテルのような白い服のボーイが往来している。
ボーイ : 「畜生、ガツガツ飲むったら、ありゃしない。」
4シーン :糞壷
監督を先頭に、見張り役二人がハッチを下りて入ってくる。
浅川監督 : 「ちょっと、云って置く。」
『分かってものいるだろうが、………
このシナリオを完成するのに時間がかかってしまうので、
こんな感じで作ってみたけれども。うまく書けませんが。
せっかくなので、これを保存し、いつか完成したら別の場所で
発表したいと思います。 よろしくお願いします。
投稿: ときお | 2009年7月29日 (水) 09時36分