「BALLAD 名もなき恋のうた」
映画「BALLAD バラッド 名もなき恋のうた」は、「クレヨンしんちゃん」は抜きにして、良くも悪くも山崎貴監督(「ALWAYS 三丁目の夕日」)らしい作品でした。リアルなCGをさりげなく使って、抒情的で、子供や家族がらみの部分が甘くて弱くて。 この合戦シーンがやりたかったのだろうと思わせる、弓や槍を多用した長回しの戦闘シーンは、確かにリアル。でも、最後まで「血」とは無縁の世界にしてしまったのは、実写版としては選択ミス。命がけの感覚が出ないし、草なぎと大沢たかおの甘ちゃんな結末も、嘘っぽくて困りました。
それでも随所で泣けたり、感銘を受けたりしたのは、ひとえに主役二人のおかげ。新垣<ガッキー>結衣は、演技というよりは素材の良さ。特に中盤まで眉根にしわを寄せる厳しい表情が多かっただけに、終盤に出てくるいつもの笑顔がステキでした(戦国の姫にしては、髪の毛にちょっと茶色が混ざってましたが・・・)。 そしてナギ助は「これが草なぎくん?」ってぐらい武士に成りきった好演で、鬼の形相や男らしい猛々しさが(そして一瞬垣間見せる純情が)それはそれは見事でした。まさに新生面を開拓したと言えましょう。 いちばん良かったのは、TOYOTAに乗った廉姫と馬で追う又兵衛の、何かを予感させるかのように離れて行く距離感の切なさかなあ。
おお、そうか!草なぎの「なぎ」は「弓・前・刀」ですもんねえ。この映画にピッタリの名前でありました。 ちなみに本作は、新垣結衣、夏川結衣の「ゆいゆいコンビ」の共演作ともなっとります。
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コメント
TVで「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を録画して見ました。やっぱり「バラッド」よりも上です。見事です。泣けます。大人向きです。見事なホンです。名作です。
投稿: 大江戸時夫 | 2009年9月21日 (月) 01時26分