ジャンヌ・クロードの死
クリスト夫人のジャンヌ・クロードさんが74歳で亡くなりました。と言っても「?」の方も多いでしょうが、あの島や谷や川や歴史的建造物を布で梱包してしまう作品で有名なアーティスト夫妻です。「クリスト&ジャンヌ・クロード」名で夫婦の共同作業として芸術を生み出していました。
記録映画などを観るとよくわかるのですが、二人のアートは実現までに10年、20年という歳月がかかるので、常に何本かのプランが同時進行です。 作品プラン、スケッチの制作。関係者や土地の人々への説明、交渉、調整。巨大な布や紐の製造。強度や安全性の試験。そして実行。アートというよりは、建築、いや土木の領域の仕事だったりします。
とにかく準備の時間が気が遠くなるほどの長さで、完成して人目に触れるのはほんの数日。セミの一生のようです。おまけに政府や寄付金には一切頼らず、作ろうとしている作品のデッサンやリトグラフを売って活動資金にしている高潔さ。 大江戸は行きましたよ、アンブレラ・プロジェクトの際の茨城の水田地帯。
これからもクリストは活動を続けていけるのでしょうか。心配です。それぐらい「二人で一人」的な夫婦でした。二人の誕生日は共に1935年6月13日!なのです。
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コメント
知らなかったぁ・・無念、寂しいですね。
ご冥福をお祈りいたします。
合掌。
投稿: risi@いけばな | 2009年11月21日 (土) 08時38分