「渇き」:異形の愛と映像の快楽
パク・チャヌク監督の新作『渇き』は、あっと驚くソン・ガンホ主演のコリアン・ヴァンパイアものですが、さすがに一筋縄ではいきません。かなりコミカルで笑えますし、鈴木清順やケン・ラッセルのような過剰かつ耽美的でパワフルな映像が最高です。まあ好き嫌いが大きく分かれる映画には違いありません。ソン・ガンホがかなりやせて、いつもながらの好演を見せれば、相手役のキム・オクビンは素材の良さを見せつけます。彼女の目の下のクマや、コケティッシュな表情など、実に魅力的です。
終盤の白い部屋!が、ブルー・トーンのハイキーな映像で、「美」を観ることの快楽を味わせてくれます。そしてラストの「純愛」的抒情まで、異形の愛が暴走していきます。パク・チャヌクのキム・ギドク化ってところでしょうか。 ほころびも多い作品ですが、大江戸はかなり好きですねえ。 それにしても韓国のヴァンパイアだったら、ニンニクに強くなくっちゃダメなんでしょうね。
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