東博で等伯
上野の東京国立博物館(東博)で『没後400年展 長谷川等伯』を鑑賞しました。昼間は待ち時間が凄いようなので、夜8時までやってる金曜日(その他は5時閉館)を利用したのでが、それでも20分待ち。それはいいとして、会場内がうんざりする混みよう。 いつもながら、日本人ってなんて美術好きの高尚な国民なんだろうと思いますけど、ちょっと需要と供給のバランスがあってませんよね。何重もの人垣越しに作品の上部2/3を見るような感じで、はっきり言って美術品を鑑賞する環境ではありません。
まあ大江戸は「『松林図』だけちゃんと見ればいいや」と思っていたので、かなりのスピードで流し見しましたが、ほんとに“人大杉”で残念なことです。 で肝腎の『松林図屏風』ですが、順路の最後に位置してて、人垣もハンパなく五重ぐらいになってました。それでもこれだけは少し時間かけて、いくつかの方向から眺め直しました。「気配」の芸術とも言えるような作品なのに、こんなわさわさした混乱の中じゃ気配もへったくれもありません。けど、それでもなお迫ってくる不思議な気配があるのですから、やはりタダモノではありません。ある意味アヴァンギャルド。色を削ぎ落とし、形を削ぎ落とし・・・という引き算の美学が、まさに日本美の本質として、描いていないものを感じさせてくれますし、空間も時間も超越したひとつの“宇宙”が、そこに立ち現れます。 やはりスゴイものはスゴイです。
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コメント
お疲れさまでした。
私は混雑状況を聞いて、観に行くのをあきらめました。
大体、開催期間が短すぎるんですよ!
主催者は何を考えているんだか・・・。
投稿: risi@いけばな | 2010年3月20日 (土) 07時41分