「しあわせの隠れ場所」=ウェルメイド
映画『しあわせの隠れ場所』(「隠れ場所」って日本語がこなれてなくて、ちょっと違和感あり)は、実にウェルメイドなハリウッドらしい娯楽感動作でした。 ’70-80年代のアメリカ映画によくあったタイプの、きっちり作られた良質なエンタテインメントです。ただ普通ならあまりにも善意に溢れて、都合が良すぎて、「甘っちょろいご都合主義の作品」として厳しい評価を与えられるところかも知れません。でも本作の強みは「実話に基づく」ってこと。この「錦の御旗」のおかげで、堂々と半世紀以上前のような善意の物語を繰り広げることができました。それにしても、フランク・キャプラだってここまで善意だけの物語は作らなかったですよ。
脚本がとっても良く出来ていて、ダイアローグも気が利いていて、これぞハリウッドのちゃんとした仕事って感じ。 サンドラ・ブロックはなるほどオスカー受賞も納得の好演。その他のキャストも皆いい味出してますけど、夫妻の小学生の息子“S.J.”役の子が達者な芝居でびっくり。ちょっと作り過ぎなほどですけど、あの口がU字型になるスマイルで全て許せちゃいます。
アメリカン・フットボールの練習や試合場面もそこそこ出てきますけど、知識がなくても何の支障も無いように作ってあります。 そして最後はこの「現代の奇跡」とでも呼ぶべき物語を、とってもヒューマンな「人と人」のコミュニケーション=ハグ(hug)に収斂させます。さわやかで気持ちの良い作品でした(学校の映画教室に最適な感じですね。最近は映画教室って、ほとんど無いみたいですけど)。
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