「川の底からこんにちは」:満島ひかりが凄すぎる
映画『川の底からこんにちは』が評判通り面白いです。ユニークなコメディーです。PFF出身の石井裕也監督による脚本、特にダイアローグがなんともじわりとおかしいです。それを生かすオフビートな演出も、まずは成功しています(とはいえ、少しだけ間(ま)が長すぎるってのも全体的にありました)。
満島ひかりが、これまた評判通りにスゴイです。無気力の極みでだらんとしているところから圧倒的な“演説”まで、目が離せません。彼女で「もたせちゃっている」映画だと言っても過言ではありませんし、それによって作品の価値が減ずるわけでもありません。とにかく口跡が独特で、そのリアルな「話し言葉」性と、「え?」とか「いや」とか「や」とかの間投詞に含まれるニュアンスの豊かさとそのバリエーション。他のどんな役者とも似ていない革命的な演技ではないでしょうか。『愛のむきだし』とか『クヒオ大佐』とか『カケラ』とか、これまでの彼女にはここまでの技や爆発力はなかったのですが・・・。 この演技の革新性を例えるとしたら・・・、マーロン・ブランドが登場した時って、こんな感じだったのかなあと思いますね。
しじみオバチャンたちの顔、バツイチ彼氏のダメダメぶりなども本作の「見るべきポイント」です。小生の好きな志賀廣太郎さんもたっぷり芝居してますしね。
それにしてもこの映画の世界では、アルコールといったら「キリン淡麗」の350ml缶しかないかのようでした(あ、居酒屋シーンで別のもんもあったか・・・)。そんなに飲むんなら500mlにしろよ。あとガラスのコップで飲んだ方がおいしいよ。
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