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2010年6月 6日 (日)

成瀬巳喜男を今さら発見

ここしばらく、銀座シネパトスで連続上映中の「シナリオ作家 水木洋子と巨匠たち」を結構観ているのですが、水木シナリオもさることながら、成瀬巳喜男監督の素晴らしさに興奮しております。水木-成瀬作品のうち『おかあさん』('52)『驟雨』('56)『山の音』('54)『浮雲』('55)を観ましたが、どれもそれぞれ見事に質の高い“大人の映画”で、参りました。小生、なぜか今まではTVで『浮雲』を見た程度で、黒澤、小津、溝口に比べてもちゃんと追っかけていませんでしたので、新鮮な発見です。

成瀬作品の特徴として、当時の東京周辺の市井の生活や風俗をきっちり描いているところがあって、半世紀以上たった今観ると、街や暮らしの貴重な記録になっています。当時の向ヶ丘遊園(おかあさん)、梅ヶ丘駅(驟雨)、鎌倉(山の音)、千駄ヶ谷(浮雲)などの今との変わりように驚きます(鎌倉は比較的変わりませんが)。これ以外にもDVDで見た『銀座化粧』では、まだ暗渠になる前の川だった頃の三原橋(それこそシネパトスのあるあたり)を見ることができます。昨年BSで見た『稲妻』にもどっか出てきてたし(もう忘れてる)。 そして雨戸や箒(ほうき)や男の帽子などなど、今は昔のスタンダードがビジュアルで時代の証言となっています。

そんな中で、大人の男と女の心情の行き違いや葛藤やもつれや衝突を描いて、実に面白く実に巧み。あくまでも娯楽だけど、この唸るほどのクォリティ。確かに今はちょっとないタイプの映画です。好きですねえ、こういうの。 これから未見の作品に接するのが楽しみです。

それにしてもこの時代の男ってのは、女性の犠牲の上でとにかくエラそうにして、やりたいようにやってりゃ良かったことがよくわかります。ほんと、ラクだったろうなー。

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