« 2014への好発進 | トップページ | 激残暑でもグミ »

2010年9月 5日 (日)

「借りぐらしのアリエッティ」:小さな話の味わい

335800_001

『借りぐらしのアリエッティ』は、短編小説のような、94分の佳品でした。ジブリらしい絵とジブリらしい物語で、新人の米林宏昌監督が手堅くまとめました。 とにかく庭や小さな世界を描いた「絵」が気持ち良く、人間の世界のスケールと小さな世界のスケールの対比に、見事な職人的技巧を感じます。ティーポットの口から注がれるお茶が、ああいうスケールの“1滴”になっている描写! 

335800_002

洗濯バサミよりも小さいクリップがアリエッティの髪留めになっていたり、待ち針が剣のように腰に差されていたりするあたりも、実にいいです。

335800_006

(以下ネタバレあり) ラスト近くのアリエッティと少年の場面はなかなかの名シーン。なんだかじわっと胸に迫ります。大げさにではなく、抑制を効かせながら(ああ、あのクリップを髪から外して差し出すあたり・・・!)。 ただ、その時の少年の台詞で、「アリエッティ、君は僕の心臓の一部だ。」ってのが、どうもしっくり来ません。確かに心臓を患っている少年ではあるのですが、これが英語原作だと(おそらく)“You are a part of my heart.”とか言うんでしょう、たぶん。そうすれば“heart”が「心臓」と「心」の両義性を持って、無理なく素敵な台詞として成立するのですが、そこが翻訳ものの難しいところですねえ。

ラストなども実にあっさりした感じですが、小さな世界を描いた「小さな話」の味わいは、決して悪くなかったです。

|

« 2014への好発進 | トップページ | 激残暑でもグミ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/36559639

この記事へのトラックバック一覧です: 「借りぐらしのアリエッティ」:小さな話の味わい:

» 借りぐらしのアリエッティ [LOVE Cinemas 調布]
原作はメアリー・ノートンのファンタジー小説「床下の小人たち」。とある古い家の床下にすむ小人の一家と人間の少年との交流を描いたファンタジーアニメーションだ。企画・脚本を宮崎駿が担当し、監督は数々のジブリ作品の原画を担当してきた米林宏昌が務めている。西友は主人公アリエッティを志田未来、人間の少年・翔を神木隆之介が演じ、他にも大竹しのぶ、三浦友和、樹木希林らが出演している。... [続きを読む]

受信: 2010年9月 6日 (月) 01時43分

» 「借りぐらしのアリエッティ」 小さな小さなアリエッティが持つ大きな大きな生命力 [はらやんの映画徒然草]
スタジオの名前自体がブランドと化しているアニメーションスタジオが日米にそれぞれあ [続きを読む]

受信: 2010年9月 6日 (月) 22時58分

» 映画:借りぐらしのアリエッティ [よしなしごと]
 観たのはだいぶ前なのですが記事にする時間がなくてようやくのアップです。今回は借りぐらしのアリエッティです。 [続きを読む]

受信: 2010年9月17日 (金) 03時55分

» 『借りぐらしのアリエッティ』’10・日 [虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映...]
あらすじ郊外の古い屋敷に住んでる小人の一族は、自分たちの暮らしに必要なモノを、必要なだけ人間の世界から借りて生活していたが、アリエッティが初めて借りに出た夜、病気の静養... [続きを読む]

受信: 2010年9月17日 (金) 07時04分

« 2014への好発進 | トップページ | 激残暑でもグミ »