「勝手にふるえてろ」、ちょっと肩すかし
8月に出た綿矢りさの『勝手にふるえてろ』、読みました。文字大きいし、行間広いし、嵩高(かさだか)紙だし、文章易しいし、160ページほどだしで、あっという間とは言わないけど、パパッと読めちゃいました。
うーん、チャレンジングだった『夢を与える』の凄味に較べると、かなりの肩すかし感で、アレレ? まあ元の路線に戻ったと言えば言えるのでしょうが・・・、いや、元よりもライト・ノベル感が強いですね。まあ悪いとは言いませんが・・・、綿矢さん自身この主人公のように、いろいろ壁にぶつかったり悩んだりってことなのでしょうか。なにせ26歳っていう同い年の設定ですし。この主人公も相当迷走していましたが、綿矢さんも迷走中なのかなあ(でもTVドラマの原作にはピッタリな感じですけど)。
それにしてもなぜこのタイトルなのか? 作中1か所だけ「勝手にふるえてろ」って出てくるけど、エンディングからはだいぶ前の重要度の低そうな所にさりげなく、なんですよね。話全体の方向性とも関係ないし。へんなの。
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