「ブロンド少女は過激に美しく」に驚く
映画『ブロンド少女は過激に美しく』は、現在101歳のポルトガルの巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督の新作。64分のコンパクトさですが、なんともかんとも人を食ったような不思議な作品です。具体的には書けませんが、世の中どこに落とし穴が待ち受けているか分からないとでも申せましょうか・・・。
短編小説の味わいで終始展開し、短編小説のような結末を迎えるわけですが、これを映画でやられるとなんだか奇妙。そしてあまりにも淡々と語られる意外な結末の後、映画はストンと幕を下ろします。多くの人は心の中で「え?!」と驚くことでしょう。これで終わるんですかい?? タイトルロールの背景の“走り去る列車”を茫然と見ているうちに、じわじわと「なるほどねえ。」感が出てきて、哀感とユーモアがないまぜになったような心情に満たされます。ある意味、衝撃のラストと言えるかも知れませんし、ある種の怪作ですらあります(まあ、それを期待して観たら、ちょっと違うんですけど)。終映後の客席も、微妙な空気でした。 やるね、じいさん。
| 固定リンク
コメント