伊集院静の「乳房」
古本屋で100円で買った伊集院静の短編集『乳房』を読みました。1990年の刊行で、「くらげ」「乳房」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」の5編を収録。 そういえば中でも優れた2編、「乳房」「クレープ」は'93年にそれぞれ根岸吉太郎、市川準監督による中編の2本立てとして映画化公開されました。
いろいろと世俗にまみれた大人のあれやこれやとして面白く読んだのですが、その昔の“無頼派”の流れを汲むようで、私小説的味わいもあって、悪くないです。
「乳房」は、夏目雅子との間にこういう会話があったのか・・・とか、伊集院しょうがねえなあとか、良くも悪くも感慨深く想像しながら読むしかないという作品。そこがお値打ち。 「クレープ」の不思議なほどの瑞々しさや純情ややるせなさは、最高です。
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