「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」:お酒はほどほどにね
映画『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』、いやーコワイですね、アルコール依存症。大量吐血しようが、内蔵ボロボロ頭スカスカになろうが、やめられないんですね。 全体的にそんなにシリアスなタッチで描いてはおらず、むしろコミカルなトーンすら漂わせているのですが、この病気の絶望的な怖さは伝わります。
浅野忠信演じる主人公が、一旦は断酒したものの、奈良漬から始まってビール、焼酎へとエスカレートしていくさまが恐ろしいです。
マンガ家の妻(西原理恵子がモデル)を演じる永作博美は、ここ数年何を演じても見事です。アベレージ高過ぎるほどです。いわゆる“演技”の類型には決して堕せず、全く独特のアプローチで、天才を見せつけてくれます。その緩急自在なドリブルは、メッシを思わせるものだと思います。
東陽一監督の名を聞いたのも久しぶりです。2000年代になってからも数本撮っていて、6年ぶりの新作となりますが、まあ注目されるような作品は'92年の『橋のない川』あたりまでさかのぼるんじゃないでしょうか。 いくつか「どうなんだろ?」って演出もありますけど、全体的には悪くない出来ではないでしょうか。
それにしても西原映画、ここ数年で『ぼくんち』『女の子ものがたり』『いけちゃんとぼく』『パーマネント野ばら』、本作、そして公開待機中の『毎日かあさん』と目白押しです。どうなっちゃってるんでしょ?
| 固定リンク
コメント