「ウォール・ストリート」:みんな枯れました
映画『ウォール・ストリート』、あの秀作『ウォール街』の23年ぶりの続編。オリヴァー・ストーン監督(終盤にカメオ出演もしてましたね)と主演マイケル・ダグラスの再タッグ。
でも、でもね・・・妙に軽くてナマクラで、全然期待外れでした。なんだか“枯れて”いて、他愛もない感じでした。23年前のギラギラとエネルギッシュだったマイケル・ダグラスが枯れるのは、ある意味当たり前なのですけど、演出も枯れてしまいましたよねえ。あのアクの強いオリヴァー・ストーンは、いったいどこへ行ってしまったのか? まあマイケル・ダグラスはあまりにもエネルギッシュ&油ギッシュだったので、枯れたぐらいでちょうどいい気もいたしますが・・・。
若手二人も、「ギラギラ」とは縁遠いさっぱりコンビなので、これも時代と割り切るしかないのでしょうか? シャイア・ラブーフは、どう見ても「ハングリー」には見えないし(頭脳明晰にも見えないし)、キャリー<17歳の肖像>マリガンは、キュートだけどゲッコーの娘には見えないってゆーか、なんか場違い。そして悪役ジョシュ・ブローリンも意外と押し出しが弱くて凡庸。スーザン・サランドンの影が薄かったのも、長年のファンとしては残念です。
役者たちの中で一番良かったのは、大ベテランのジュリーに扮したイーライ・ウォラック。
彼は昨年の『ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー』でも大変いい味を出していました。賞とか取ってもいい感じの、ステキなじいさんっぷりです。若い頃の脂ぎった西部劇俳優や’70年代の『ザ・ディープ』あたりからは想像もできないほどの、いい枯れ方です。「老け専」の方には支持されるタイプではないでしょうか(?)。
ラストなどは大甘です。オリヴァー・ストーンも枯れてますね。あの「気骨」はどこへ行ってしまったのでしょう?残念です。
| 固定リンク
コメント