オシムの「恐れるな!」
ちょっと前にオシムが出した「角川Oneテーマ21」という新書シリーズの『恐れるな! -なぜ日本はベスト16で終わったのか?』です。 副題のとおり昨夏のW杯南アフリカ大会における日本の躍進と、それだからこその悔恨を、優勝したスペインや他国との比較も行いながら、徹底的に分析していきます。オシムは日本がパラグアイ戦を落としたことを、メッチャ本気で悔しがっています。
意外に思うよううな話はあまりなく、むしろ「やっぱりそうか。そうですよね」と同意したくなるような話がほとんどでした。けれども「日本のプレー効率の悪さの原因はスピードのなさにある」(プレーにスピードがない、考えることにスピードがない、ランニングにスピードがない)と喝破するあたりは、この人の面目躍如。また、遠藤、阿部、駒野らほとんどの選手を一方では大いに褒め、もう一方では物足りないと叱るあたりも、オシムらしい芸当だと感じました。
最後にザッケローニへの進言なども行いながら、日本はスペインを手本に「パスサッカーのスタイルを追求すべきだ」とするオシム。 ハッキリ言って、南アフリカでの成績もアジアカップの優勝も、オシムの播いておいた種が育ってきたってことだと思うんですよね。このまま花開いて、果実を実らせてほしいものです。
あとがきで、命というリスクを冒してでも「もう一度ベンチに座って監督をしたい」ともらすオシム。うーん、ほんとに南アフリカのベンチに座らせてあげたかったです。
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