「冷たい熱帯魚」;猛毒注意
園子温監督の『冷たい熱帯魚』、うーん、思った以上の劇薬でした。 それなりにホラーやグロいものにも慣れている小生としても、けっこうヘヴィーに感じました。 間違えてもデート・ムーヴィーとして観たりしてはいけませんよ。破局必至です。 でも、面白い作品ではあるのですけどね。
(以下多少のネタバレあり)
吹越満のメガネが割れたポスターのビジュアルは、サム・ペキンパー監督、ダスティン・ホフマン主演の『わらの犬』そっくり。そういえば、追い詰められた弱っちい男が、自ら暴力の狂気の中に・・・っていうあたり、両作は良く似ています。
この重苦しく胸につかえるイヤーな感じは、三池崇史作品にも通じるものがありますね。そういえば血糊&内臓系ってことでも、日本映画史上において、三池の『殺し屋1』と双璧です。
おお、それと終盤の主人公の狂った蛮行も、三池の『ビジターQ』を思わせるものがあります。ブラックに笑えるし。
『母べえ』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』など近年演技力に磨きがかかってきて「いい味出してるなあ」と思ってた“いい人”でんでんが見せる極悪芝居の狂気もさすがです(園作品の狂気ってことでは、『紀子の食卓』におけるつぐみの演技が最高峰ですけど)。
それにしてもどこまで行くのだろう、園子温。 ラース・フォン・トリアーの聖なる悪名高さに通じるものがありますよね。
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