「あしたのジョー」:ちゃんと再現されてるけど・・・
実写版映画『あしたのジョー』は、功罪入り乱れておりますが、まあまあの出来。 『ALWAYS 三丁目の夕日』や『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の山崎貴監督と並ぶVFXの使い手、『ピンポン』の曽利文彦監督なだけに、VFXで再現した昭和の風景や試合場面には相当のクォリティーが感じられます。風景はオープンセットの威力もありますね。 そしてジョーの服装が、パンツの丈の短さやコートの襟を立てた時の感じまで原作通りに再現されている(!)
のには、感心しました。
その一方で、物語は原作のダイジェストを超えることがなく、とにかく丈と力石に絞って一気に突き進むのはいいけれど、味わいや映画としての深みには欠けますね。まあ、原作のおかげで終盤、泣ける所はそれなりに泣けるのですけど・・・。
香川照之の丹下段平は、あまりにもマンガで笑えます(頭割れてるし)。けど大のボクシング・マニアである香川だけに、動きは良かったです。いや、動きも声もちょっと若々し過ぎた感もありますね。
香里奈の白木葉子は、原作とちょっと異なった「現代の女性」を振りかけてあります。まあ、今は原作のようなタイプの女優さんいないもんね。でも、終盤放心状態になっている時の彼女は良かったです。
とはいえ、この映画は山下智久と伊勢谷友介というジョー、力石コンビの徹底したボクサーの体づくりに尽きるのですけどね。二人とも頑張りました(あの筋肉はVFXではないのですよ)。でもファイトシーンの迫力は『レイジング・ブル』や『ロッキー』にてんでかなわないってことも、残念ながら事実であります。 有名な力石の減量シーン(蛇口ぐるぐる巻き)は、やっぱり笑っちまいますよねえ(なんかパロディーかコントみたいで)。
いつもの通り、山ピー=ジョーの画像は(ジャニーズの管理が厳しくて)無いのでした。
| 固定リンク
コメント