「英国王のスピーチ」:手堅いけれど・・・
本年のアカデミー作品賞&主演男優賞&監督賞&オリジナル脚本賞に輝く『英国王のスピーチ』をようやく観ました。確かにしっかりした、風格のある作品ではありますが、まあそこまで評価されるほどのものかなぁって疑問は拭えませんね。いかにもオスカー好みではありますが、大江戸としては『ソーシャル・ネットワーク』の方を上位に置くにやぶさかではありません。
とは言え、本作における名優たちの演技比べにはかなりの見応えがあることも確か。 コリン・ファースがかなり地味めなのは、「吃音」ってだけで既に癖のある演技になってしまうので、あえて他を抑えた演技設計なのか、それとも単に地味な人だからなのか。そもそもコリン・ファースは「こりん星」から来たのだろうか?ああ、ゆうこりんと対談してもらいたい!「コリンvs.ゆうこりん」。
ジェフリー・ラッシュは相変わらず達者なところを見せつけ、いい味も醸し出しています。 マイケル・ガンボンもさすがの貫禄ですね。 そしてヘレナ・ボナム=カーターは、けっこう久々に真っ当な役なのでは? 何しろフランケンシュタインの花嫁から、惑星の猿から、魔女から、頭のデカい赤の女王まで、何でもやっちゃう人だけに・・・。普通でした。 庶民感覚たっぷりで、小悪党やダメオヤジ役が似合うティモシー・スポールがチャーチル役ってのも、ちょっと笑えました。
クライマックスのモンタージュなど実に手堅く、懸命のスピーチの合間に、ラジオ放送を聞く人々のカットを(ズームインしながら)積み重ねたりして、きっちり感動を盛り上げます。 手堅過ぎて、大して面白くは無いんですけどね。
誰もが思うことでしょうけど、よく英国王室の人々を題材にこういう映画が作れるものですねえ。日本の皇室だったら、200%無理ですもん。 関係ないけど、ジョージ6世の二人の女の子=エリザベスとマーガレットが、そりゃーもう可愛かったです。
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