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2011年5月24日 (火)

「ブラック・スワン」:Black & White

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映画『ブラック・スワン』、やはり曲者であり、凄かったです。『π』『レクイエム・フォー・ドリーム』『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督だけあって、一方では夢と現実が混濁する世界、一方では肉体と痛さの追究を、狂気のビジュアルで見せてくれます。

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それでもやはりオスカーはじめ女優賞総なめのナタリー・ポートマンを見る映画ではあります。母親から抑圧されている、気の弱い女性が、だんだん精神のバランスを崩し、狂気の世界をさまよい、そしてその果てに・・・という驚愕の変身。ラストの「黒鳥」の舞いとその表情は、圧巻の一言です。

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母親役がバーバラ・ハーシー、引退するプリマドンナ役がウィノナ・ライダーと、懐かしい顔が二人出ていたのにも「おお!」でした(実際にはエンドタイトルで、「あっ、そうか!」と思ったわけですけど)。

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(以下、ややネタバレあり) 後半、ヒロインが狂気の夢幻地獄をさまようあたりの演出は、ほとんどホラー映画。ただ、そこらへんは成功しきっていないような気もします。ヘンにチープな方に寄っちゃうみたいで・・・。まあ、あのさりげない「鳥肌」VFXは、なかなかでしたが・・・。 そしてクライマックスの「黒鳥の舞い」において、かなりの大技を使って、観る者を圧倒します。 ラストの「完璧」云々の台詞は、既に「古典(classic)」と呼べるものであり、印象的な名ラストと言うことができるでしょう。

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ただ欲を言えば、このようにエキセントリックな狂気ワールドに走らないで、例えばウィリアム・ワイラーのように、正攻法で人間心理の奥底を覗くような作品になれば、もっと凄い名作になったかも、との思いもあったりします。 あるいは全盛期のケン・ラッセルのような、万華鏡的クレイジー・ワールドにしてしまうか・・・。

「純白の野心は、やがて漆黒の狂気に変わる」っていう広告コピー、素晴らしいです(もとは“White dreams. Black obsession.”のようです)。

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