「まほろ駅前多田便利軒」:ゆるゆると、のらりくらりと
映画『まほろ駅前多田便利軒』は、オフビートで「間(ま)」を生かした、日本映画らしいひとつのかたち。 瑛太と松田龍平のコンビネーションが良く、その掛け合いだけで結構見せてしまいます。
周りを固める役者たちも良く、高良健吾がヤバイ怖さを放って秀逸でしたし、岸部一徳もいつも以上に不気味な凄さがありました。久々の片岡礼子がいい味出してましたし、中村優子とか鈴木杏とか本上まなみとか、ことごとく大江戸が好きな女優さんを使ってくれてるのも嬉しかったですね。
大森立嗣監督は親父の麿赤兒と弟の大森南朋を出演させて、さながらホーム・ムービーのようです(?)。 親子ってことで言えば、松田龍平の親父=松田優作にまつわる爆笑セリフが出てきましたよ。やってくれます。
だいたいにおいてたっぷり目の「間」が、作品のトーンとなっているのは良いのですが、さすがに終盤、瑛太がアップで延々と語る場面はしんどかったです。あれだと、さすがに「もたない」です。 大森監督、もうあと一修業必要だと思いました。 重いことを描いても、あんまりシリアスになりすぎないのらりくらりとしたタッチは良かったのにね。
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