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2011年6月22日 (水)

「ベッジ・パードン」:ビター・スイートな余韻

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三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで、作・演出:三谷幸喜の『ベッジ・パードン』を観劇。野村萬斎がロンドン留学時代の夏目漱石を演じます。休憩をはさみ3時間5分ですが、長さを感じさせずに駆け抜けてくれます。 そういえば三谷さんの芝居を観るのって初めてでした。

でも、もちろん小生のお目当ては深津絵里。ふかっちゃん演じる女中“ベッジ・パードン”がやはり素晴らしい出来です。コックニー訛りを日本語で再現し--“H”抜きなので「はひふへほ」が「あいうえお」になる--、育ちの悪さと教養の無さをキュートなイノセンスで表現するあたり、『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘップバーン以上です。訛りに加えて、つぶれたカエルみたいなヘンな発声を続けていましたが、終幕ではやはり彼女の美しい声が生きていました。 やはり彼女の芝居には何度か目頭が熱くなりました。

萬斎さんも、11役(!!)の浅野和之もいいけれど、大泉洋が彼らしくハマっていて、大いに面白いです。小生が知らなかった浦井健治も、いい勢いで突っ走ってました。

笑えて笑えて、漱石とベッジの恋を応援して、そして・・・という、心がほっこりしながらもほろ苦い、あたかも自分自身が大切な恋を失ったような、そんなビター・スイートな情感を湛えたエンディングでした。ベッジ(と、ふかっちゃん)を思って、今も余韻が胸に残ります。

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コメント

こんばんは。「ベッジパードン」の感想待っていました。
私も先々週観てまいりました。やはり深津さんの演技に感動しました。時間がたつにつれて、もう一度見たいなーという思いになります。
日経新聞の劇評には「驚くべきコメディエンヌぶり。」と評されていました。
それからシスカンパニーに問い合わせたら「収録予定あります。」ということなのでテレビなどで見ることができるかもしれませんよ。

投稿: てつ | 2011年6月22日 (水) 20時29分

てつさん、コメントありがとうございます。
ホントもう一度観たいですよねー。 ふかっちゃんのコメディエンヌとしての才能に関しては、恩田すみれさんひとつ取っても他の追随を許さない独自の味がありますもんね。
1階席の一番後ろで観たので、確かに表情のアップとかを映像でチェックしたいです。

投稿: 大江戸時夫 | 2011年6月22日 (水) 23時57分

こんばんは♪。
生で深津絵里さんの演技を見るのは初めてでしたが、すごくよかったです(次は、彼女、起死回生をかける弁護士役ですね♪。)。

舞台のラスト間近は胸がキューンと痛くなり、切なかったです。
それまでず〜っと笑って楽しんできたのが嘘みたいに哀しくなって…。三谷さんのイケズぅなんて思ったりも:笑。

萬斎さんが「じーさん、よっぱらって、ほにゃららら」と歌う様子を見れたのも美味しかったです。

おそらく、DVD化されるはずです(^^)。

投稿: みぃみ | 2011年9月24日 (土) 01時18分

みぃみさん、コメントありがとう。
そう、10月には三谷×深津コンビの映画『ステキな金縛り』(なんてタイトルだ)が公開されます♪  この二人の前作『ザ・マジックアワー』では、ふかっちゃんも不完全燃焼に見えただけに、本作に期待大です! 予告編見る限りでは、かなりいい感じです。

投稿: 大江戸時夫 | 2011年9月25日 (日) 00時22分

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