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2011年7月27日 (水)

「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」:ニセモノと思い込み

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映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』は、類例のないドキュメンタリー。どこまで本当で、どこまで虚構なんだか、わからなくなります。いや、多くの映画賞をドキュメンタリー部門で受賞してるってことは、全部本当なんでしょうけど、それが信じられないくらいウソっぽい話です。これがリアルだなんて、なんてフェイクな世の中なんでしょう。

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バンクシーというストリート・グラフィティ・アーティストのドキュメンタリーなんだろうな、と思って観ているうちに、どんどんあらぬ方向に話が進んで行ったまま戻って来ないで、最後までだまされちゃいます。 とにかく真の主人公であるところの、フランス人ティエリー(またの名をミスター・ブレインウォッシュ)の、見た目通りのニセモノぶり、才能の無さがどんどん明らかになるのですが、その一方で彼がそれなりの処世の巧さやアート界の人脈を通して、なぜか成功してしまう過程がスリリングかつ馬鹿馬鹿しく描かれています。

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とにかくティエリーの作品がウォーホルやら、リキテンスタインやら、ポップアートの先人たちの形だけのパクリでしかなく、そこにポロックやサム・フランシスを足していったり、なんだか誰でもできるようなパロディーを、恥ずかしいそぶりも見せずに堂々と勘違いしながらやってる感じ。チラッと映った作品にはキース・ヘリング調やらナム・ジュン・パイクそのものみたいなのまでありました。才能ゼロ、戦略(いや、思い込み?)のみで、ここまで来ちゃった(唖然)わけですね。

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しかしながら、ロスアンゼルスの観客たちは満足げに素晴らしいと語り、作品は飛ぶように売れ、このおっさんがアーティストとして認められてしまったのですから・・・。うーん、確かに現代アートの世界に一石を投じるドキュメンタリーではあります。ギャラリーはギフトショップなのか?と。 なんと、マドンナのCDのジャケットまで手掛けちゃったことがわかって、びっくり。ああ、あのジャケット確かに見ました。大丈夫かよ、マドンナ?!

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受信: 2011年8月 4日 (木) 20時29分

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