「ジュリエットからの手紙」:ヴァネッサの輝き
映画『ジュリエットからの手紙』を渋谷のBunkamuraル・シネマで鑑賞。ル・シネマは今日限りで改装に入り、再びオープンするのは12月23日ってことです。
まず驚くのは原題が“Letters to Juliet”だってこと。「ジュリエットからの」ではなく「ジュリエットへの」手紙ではありませんか!ここらへんが能動的な欧米と受動的な日本という機微なのでありましょうか。
作品はとにかくウェルメイド。オーソドックスに「こう来るな」って方に進んで行きますけど、それが当世風の浅さではなく、適度にきちんと作りこまれていて、よく出来た脚本です。演出にもぬかりはありません。大抵の観客をニンマリさせるハートフルな作劇と、美しいヴェローナの風景です。まあかなり甘口ですけど、作品の中でもその名が出てくる「ソーテルヌ」の蜂蜜のような甘口ワインにも似ているってことで・・・。
で、そのソーテルヌの原材料の貴腐ブドウにも例えるべきは(例えちゃっていいのかなあ?)ヴァネッサ・レッドグレーヴの高貴な存在感! この上品な、でも味のある、温かみもあるステキなおばあちゃん像を、背筋もすっきりと演じて、大江戸の助演女優賞候補ですね。何と言っても『ジュリア』の時と同じように、瞳に星がキラキラしてますもん! アマンダ・セイフライドならずとも、フランコ・ネロならずとも、大好きにならずにいられないでしょう。どうでもいいけど、ここんとこ出まくっているアマンダは、ある種の犬に似てますね。犬に詳しくないのですが、ああいう顔いますよね。 まあ本作では(当然ながら)完全に ヴァネッサに軍配が上がっておりました。
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