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2011年8月27日 (土)

「一枚のハガキ」:明日に向って立て!

110519_ichimai_sub1 新藤兼人99歳が自ら最後の作品だと語る『一枚のハガキ』は、確かに新藤作品の集大成の趣き。反戦と夫婦とを、そのままの直球で描きます。シンプルな物語を、演劇調の会話と芝居で迷いなく押し切ります。

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何十年前とかにこの映画が作られていたら、必ずや音羽信子が演じたであろう女の役を演じるのは、最近の新藤映画の常連である大竹しのぶ。役柄の実年齢はさすがに大竹さんご本人よりもだいぶ若いと思うのですが、99歳の御大から見れば大した差はないのでしょうか? 長回しの中、名女優の意地を見せるかのような、オーバーアクトぎりぎりというか、ちょっとそこまで行っちゃうんですか?ってな芝居が凄いです。 一方の豊川悦司までそのテンションに引きずられて、相当に力の入った芝居で、ちょっと笑えます。

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ちょっと笑えるヘンさがあるのは新藤作品の常で、ストレートに戦争反対を訴えようと、人が死のうと、どんなに悲惨なことが起ころうと、なんか笑えちゃうんです。それは、高齢監督ゆえにちょっと感覚がずれてて失笑するとかいうことではなく、昔からの資質なのだと思います。おおらかなユーモア。豊川と大杉漣のケンカ場面などは、その好例でしょう。それにしても、自主映画みたいなカット割りを、ぬけぬけとやっちゃってますねー。

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ラストの麦畑がストレートに示す明日への希望、戦争からの復興は、たまたまでしょうけど(作品の完成は昨年なので)今の日本にぴったりのポジティブ・オーラを放っていました。「生」のたくましき輝きがありました。 晩年の新藤作品の中ではベストでしょう。

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» 一枚のハガキ [LOVE Cinemas 調布]
日本映画界最高齢の新藤兼人監督が自ら「最後の作品」と言う映画だ。終戦間際に召集された100人の兵士で生き残った6人の内の1人がなくなった戦友の家を訪ねるも、戦友の妻を残して家族は崩壊していた…。主演は『必死剣 鳥刺し』の豊川悦司と『オカンの嫁入り』の大竹しのぶ。共演に六平直政、大杉漣、柄本明、倍賞美津子といった実力派俳優が務めている。... [続きを読む]

受信: 2011年8月28日 (日) 00時40分

» 一枚のハガキ・・・・・評価額1600円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
死にゆく兵士から託されたのは、妻から届いた「一枚のハガキ」だった・・・・。 これは、戦後一貫して庶民の戦争を描いてきた齢99歳の新藤兼人監督が、自らの体験を元に戦争への怒りをストレートに描いた作品...... [続きを読む]

受信: 2011年8月28日 (日) 10時57分

» 『一枚のハガキ』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「一枚のハガキ」□監督・脚本・原作 新藤兼人 □キャスト 豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、大杉 漣、柄本 明、倍賞美津子、       津川雅彦、川上麻衣子、絵沢萠子、大地泰仁、渡辺 大、麿 赤兒■鑑賞日 8月14日(日)■劇場 1...... [続きを読む]

受信: 2011年9月 1日 (木) 08時14分

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